派遣の働き方

派遣は契約途中で辞められる?リスクや注意点、退職の手順を解説

派遣の仕事を始めたものの、体調不良や人間関係の悩みなどにより、契約満了を待たずに辞めたいと考えることは珍しくありません。
しかし、途中で辞めると違約金が発生するのか、どのように伝えればよいのか分からず不安を抱く人も多いでしょう。

本記事では、契約途中で退職できる条件や注意点、辞め方の手順をお伝えします。
円満に退職し、新しい環境へ移行するための参考にしてください。

目次

派遣を契約途中で辞めることに関する原則と例外

  • 基本的には契約期間中の退職は認められない
  • やむを得ない理由がある場合は直ちに退職できる
  • 1年以上継続して働いている場合はいつでも退職できる
  • 違約金や損害賠償を請求される可能性は極めて低い

法律の基本を押さえ、現在の状況と照らし合わせてください。

基本的には契約期間中の退職は認められない

派遣の働き方は、雇用期間をあらかじめ定めた有期雇用契約にあたります。
民法では、期間の定めがある雇用契約の場合、原則として途中で一方的に契約を解除できないと規定されています。
そのため、単に「仕事に飽きた」「ほかの仕事に目移りした」といった個人的な理由だけで自由に辞めることは認められていません。

派遣社員は契約満了まで働くことが基本です。
安易に辞めることは、周囲に大きな負担をかけるおそれがあります。

参照元:民法

やむを得ない理由がある場合は直ちに退職できる

原則として途中退職は認められないものの、民法では例外が定められています。
やむを得ない理由がある場合に限り、雇用契約の各当事者は直ちに契約を解除可能なため、労働者もこれを理由に退職できます。
予期せぬトラブルや深刻な事情により、働き続けることが困難な状況は誰にでも起こり得るものです。

具体的な基準は法律で明確に定められていませんが、一般的には心身の健康問題や家庭の急激な環境の変化などが該当します。
自分の置かれた状況がこの例外にあてはまるかどうかを、冷静に判断しましょう。

1年以上継続して働いている場合はいつでも退職できる

労働基準法第137条の規定により、締結している契約期間が1年を超えており、かつ契約開始日から1年以上が経過している場合は、いつでも退職を申し出られます。
たとえば「1年3ヶ月」の有期契約を結び、1年が経過した場合がこれにあたります。
この場合、特別な事情を証明しなくても、自分の希望のみで退職できる仕組みです。
長期にわたって貢献してきた労働者に対する、法的な救済措置の1つとして機能しています。

ただし、いつでも辞められるとはいえ、突然出社しなくなることは避けましょう。
円満に職場を去るための最低限のマナーが欠かせません。

参照元:労働基準法 第百三十七条

違約金や損害賠償を請求される可能性は極めて低い

契約期間中に辞めるときの違約金に不安を感じる人も多いでしょう。
しかし、労働基準法第16条により、退職にともなう違約金や損害賠償額をあらかじめ設定することは禁止されています。

そのため、途中で辞めたことによる罰金の支払い義務はなく、派遣会社の不当な要求は法律違反です。
損害賠償も、会社に甚大な不利益を与えない限り請求されるケースはまれですが、音信不通などの悪質な辞め方は深刻なトラブルに発展するおそれがあります。

契約途中でも退職が認められるやむを得ない理由

働き続けることが困難になる事情は人によってさまざまです。
契約の途中解除が認められやすい理由を5つ取り上げます。

  • 病気やけがなどの体調不良
  • 家族の介護や看病が必要な状況
  • 配偶者の転勤にともなう引っ越し
  • 事前の契約内容と実際の業務内容の大きな相違
  • 派遣先での深刻な人間関係の悩み

自分が抱えている問題が正当な理由にあてはまるかどうか、1つずつ確認しましょう。

病気やけがなどの体調不良

心身の健康を損ない、業務を続けるのが難しい場合は正当な退職理由として認められます。
激しい労働によるけがはもちろん、職場のストレスからくるうつ病や適応障害などの精神的な不調も対象です。
無理をして働き続けると、症状が悪化して日常生活に支障をきたしかねません。
まずは自分の体を最優先に守りましょう。

退職を申し出る際は、医師の診断書を準備しておくと手続きがスムーズです。
客観的な証明となるため、派遣会社も状況を理解して迅速に対応してくれるはずです。

家族の介護や看病が必要な状況

家族が突然倒れたり、親の介護が始まったりして、仕事との両立が難しくなるケースも正当な理由に該当します。
施設に入所できない、ほかに頼れる親族がいないなどの事情があれば、退職は避けられません。
介護や看病は予測が難しく、急激に生活環境が変化するものです。
家族のサポートを優先する決断は尊重されます。

派遣会社に伝える際は、対象となる家族の状況や介護の頻度などを具体的に説明しましょう。
介護保険の認定書類などがあると、状況が伝わりやすくなります。

配偶者の転勤にともなう引っ越し

配偶者の急な転勤が決まり、現在の住まいから遠く離れた場所へ引っ越す場合も、やむを得ない事情に含まれます。
新しい職場への通勤に片道2時間以上かかるなど、物理的に通うことが困難になれば、退職は避けられません。
結婚や出産にともなう転居も、同様に正当な理由として扱われます。

引っ越しの予定が決まったら、時期や新しい住所を早めに派遣会社へ共有しましょう。
余裕をもって申告しておくことで、引っ越し先のエリアに対応した派遣先を紹介してもらえる可能性もあります。

事前の契約内容と実際の業務内容の大きな相違

就業前に聞いていた条件と、働き始めてからの実態が異なる場合も、退職の正当な理由になります。
たとえば、事務職で採用されたはずなのに肉体労働ばかり任されるケースがあげられます。
残業なしの契約にもかかわらず、連日遅くまで残業を強いられる場合も同様です。

このような労働条件の相違は、派遣先企業がルールに違反している状態といえます。
我慢して働き続ける義務はないため、早急に派遣会社へ相談しましょう。
その際、実際の業務記録や残業時間が分かる証拠を残しておくのがおすすめです。

派遣先での深刻な人間関係の悩み

職場で理不尽なハラスメントを受けたり、度を超えた無視や暴言があったりする場合も、契約を解除できる理由です。
上司からのパワーハラスメントや、同僚からの陰湿な嫌がらせは、働く人の心を傷つけます。
人間関係のトラブルは証拠が残りにくく、泣き寝入りしてしまう人も少なくありません。

しかし、安全な環境で働く権利はすべての労働者に保障されています。
1人で抱え込まず、どのような被害に遭っているのかをメモなどに記録しておきましょう。

派遣の契約途中で辞めることで生じる注意点

特別な事情で辞める場合でも、本来の契約を途中で終えることにはいくつかの懸念がともないます。
あとから困らないよう、以下4つの影響を把握しておきましょう。

  • 同じ派遣会社から次の仕事を紹介されにくくなる
  • 自己都合退職により失業保険の給付制限を受ける
  • 派遣先や派遣会社との関係が悪化する
  • 転職活動において採用担当者に懸念を抱かれる

マイナス面を理解し、慎重に行動を決めることが大切です。

同じ派遣会社から次の仕事を紹介されにくくなる

途中で退職した事実は、派遣会社の社内データに履歴として残ります。
最後まで働き通せなかった記録により、派遣社員としての信頼度が下がることは避けられません。
その結果、条件のよい案件や人気の求人を紹介してもらえる確率が低くなります。

無断欠勤や一方的な退職を強行した場合、二度とその会社から仕事の案内がこなくなるケースもあります。
同じ派遣会社で長く働きたい人は、この影響を考慮したうえで、辞めるべきかどうかを慎重に判断しましょう。

自己都合退職により失業保険の給付制限を受ける

やむを得ない事情であっても、自ら退職を申し出た場合は「自己都合退職」として扱われます。
自己都合退職の場合、ハローワークで失業保険の手続きを行っても、すぐにお金を受け取れません。
通常、7日間の待期期間に加えて原則1ヶ月の給付制限が設けられており、その間の生活費を自分でまかなうことになります。

ただし、医師の診断書があり「特定理由離職者」と認められた場合は、給付制限が免除されることもあります。
退職後の資金計画が狂わないよう、当面の貯金があるかどうかを確認しておきましょう。

参照元 : ハローワークインターネット「雇用保険の具体的な手続き」

派遣先や派遣会社との関係が悪化する

途中で人員が抜けることは、派遣先企業にとって業務計画が崩れる要因です。
急いで代わりの人材を探す手間がかかり、派遣先への負担は避けられません。
派遣会社側も企業からの信用を失うリスクを抱えるため、双方への迷惑につながります。
業界内での評判が下がり、気まずい思いをしたまま職場を去ることになりかねません。

辞める権利があるとはいえ、周囲への影響を抑える配慮が求められます。
できる限り穏便に話し合いを進め、誠意をもって対応しましょう。

転職活動において採用担当者に懸念を抱かれる

次の就職先を探す際、履歴書に記載された短い就業期間が不利に働く可能性があります。
採用面接では「なぜすぐに辞めてしまったのか」「うちに入社してもまたすぐに辞めるのではないか」という厳しい目を向けられます。
納得のいく退職理由を説明できなければ、採用を見送られるケースも少なくありません。

正社員への転職を目指す場合は、厳しく評価されるポイントです。
面接官の不安を払拭できるよう、前向きな退職理由や志望動機を整理してから選考に臨みましょう。

派遣を契約途中で辞めるための具体的な手順

トラブルを防ぐためにも、正しい進め方を守ることが大切です。
以下の5つの手順に沿って、具体的な手続きをお伝えします。

  • まずは派遣会社の担当者に退職の意思を伝える
  • 退職の理由を正直かつ明確に説明する
  • 派遣会社から案内された退職の書類を提出する
  • 派遣先での業務の引き継ぎや貸与物の返却を行う
  • 退職後に必要な年金や健康保険の切り替え手続きを進める

まずは派遣会社の担当者に退職の意思を伝える

辞めたいと考えたとき、最初に連絡すべき相手は派遣先企業ではなく雇用主である派遣会社です。
就業先の上司や同僚に直接「辞めます」と伝えるのはルール違反になります。
派遣先の企業はあくまで指示を出して業務を任せている立場であり、雇用契約を結んでいるわけではありません。

まずは派遣会社の営業担当者に電話やメールで連絡し、面談の時間を設けてもらいましょう。
担当者が間に入って派遣先との調整を進めてくれるため、順序を守って報告することが円満な退職につながります。

退職の理由を正直かつ明確に説明する

派遣会社の担当者と面談する際は、なぜ働き続けられないのかを包み隠さず伝えてください。
あやふやな理由や嘘の申告をすると、あとで辻褄が合わなくなり、トラブルに発展するおそれがあります。
体調不良や人間関係の悩みなど、いいにくい事情であっても誠実に打ち明けることが大切です。

状況によっては、担当者が派遣先と交渉して職場環境を改善し、辞めずに済む解決策を提示してくれることもあります。
事実を共有することで、双方が納得できるゴールを見つけ出しやすくなるでしょう。

派遣会社から案内された退職の書類を提出する

退職の合意が得られたあとは、派遣会社の指示にしたがって事務手続きを進めます。
退職届や保険関連 of 書類など、署名や捺印が求められる書類が郵送またはオンラインで送られてきます。
提出期限に遅れると、次の仕事へ就くタイミングや失業保険の申請に影響が出るため注意してください。

離職票などの重要な書類は、あとから自分でハローワークに提出する際に欠かせません。
記入漏れやミスがないように確認し、速やかに返送しましょう。

派遣先での業務の引き継ぎや貸与物の返却を行う

残りの出勤期間中は、これまで担当していた業務を後任の方へ引き継ぐ作業に専念することが大切です。
マニュアルを作成したり、口頭で手順を教えたりして、自分が抜けたあとも業務が滞りなく回る状態を整えます。
入館証やパソコン、制服など、派遣先から借りていた物品も最終日までに返却が必要です。

返し忘れると退職後に郵送する手間がかかり、セキュリティ上の問題にも発展しかねません。
最後の日まで責任ある行動をとり、お世話になったことへの感謝を伝えて職場を去りましょう。

退職後に必要な年金や健康保険の切り替え手続きを進める

会社を辞めたあとは、社会保険から国民健康保険や国民年金への切り替えを自分で行う義務が発生します。
退職日の翌日から14日以内に、住んでいる地域の市区町村役場で申請を済ませてください。
期限を過ぎると、医療費が全額自己負担になったり、将来受け取れる年金額が減ったりするおそれがあります。

すぐに次の就職先が決まっていない場合は、ハローワークで失業給付の申請も進めましょう。
生活を安定させるためにも、退職後の公的な各種手続きは後回しにせず、迅速に対処することが大切です。

まとめ:派遣を契約途中で辞める際は手順を守ろう!次のお仕事探しはホットスタッフへ

次の仕事を探すなら、フォロー体制が整っているホットスタッフにご相談ください。
登録時のカウンセリングでは、未経験職種への挑戦や子育てとの両立など、一人ひとりのお悩みをヒアリングしてお仕事をご提案します。
就業開始当日は専任の担当者が勤務先に同行し、派遣がはじめての方も働き始めやすいように支援する体制です。

働き始めてからも定期的な職場訪問やメール、電話で相談できるバックアップ体制が整っています。
安心して働ける環境をお探しの方は、ぜひご利用ください。

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