派遣の働き方

派遣会社の仕組みとは?派遣の種類や流れと正社員との違いを解説

ご自身のワークライフバランスを重視したいなら、派遣社員として働くという選択肢があります。
しかし、派遣で働いたことがなく、そもそも派遣会社とはどのような仕組みなのかをまだ把握していない方もいらっしゃることでしょう。

そこで本記事では、派遣会社の仕組みを中心に、派遣社員という働き方について基礎的な知識をお伝えします。

派遣会社の仕組み

派遣会社は、労働者派遣法に基づいて人材派遣を行っています。
自身が“派遣元”として、“派遣先”となる受け入れ企業にスタッフを派遣しているという仕組みです。
派遣社員は派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業で業務に従事します。

最大の特徴は、派遣社員(スタッフ)にとっての雇用主(派遣会社)と指揮命令者(派遣先企業)が異なるという点です。
具体的には、派遣社員の労働時間や賃金の管理などは派遣会社が行い、日々の業務の指示は派遣先企業が行います。

労働者派遣法とは?

先述した労働者派遣法は、正式名称を『労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律』といいます。
派遣会社が行う労働者派遣事業の適正な運営と、派遣労働者の保護を目的としている法律です。

なお、労働者派遣法はこれまでに何度か改正が行われています。
派遣社員として働く上で覚えておきたいものとしては、2015年に設けられた“3年ルール”と2020年の“同一労働同一賃金”が挙げられます。

【労働者派遣法のなかで注目すべき改正内容】

  • 3年ルール
  • 同一労働同一賃金

3年ルール

労働者派遣法で定められている“3年ルール”とは、同じ事業所の同じ課など、組織単位で同じ派遣社員を受け入れられる上限を3年に定めているルールのことです。
労働者派遣法第40条の2と35条の3で、それぞれ以下のように定められています。

派遣可能期間(以下「派遣可能期間」という。)は、三年とする。

引用元:e-GOV法令検索

派遣元事業主は、派遣先の事業所その他派遣就業の場所における組織単位ごとの業務について、三年を超える期間継続して同一の派遣労働者に係る労働者派遣(第四十条の二第一項各号のいずれかに該当するものを除く。)を行つてはならない。

引用元:e-GOV法令検索

このルールの目的は、派遣社員の雇用を安定させることです。
同じ事業所での派遣期間が3年を迎える場合は、以下のうちいずれかを選ぶこととなります。

【派遣期間が3年を迎える場合の選択肢】

  • 職場・部署を異動する
  • 派遣会社で無期雇用派遣に変更してもらう
  • 派遣先企業で直接雇用してもらう

なお、「60歳以上である」「一定の期間が定められているプロジェクトに参画している」など、3年ルールの適用外となる可能性のある条件もいくつか存在します。
同じ組織で3年以上、派遣社員として働きたい場合は、派遣会社の担当者に確認しておくとよいでしょう。

同一労働同一賃金

“同一労働同一賃金”は、派遣社員や有期雇用労働者、パートタイム労働者などの非正規雇用労働者と、同じ企業で働く正社員との不合理な待遇差を解消することを目的とした制度です。
労働者派遣法第30条の3では、以下のように定められています。

派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者の基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、当該待遇に対応する派遣先に雇用される通常の労働者の待遇との間において、当該派遣労働者及び通常の労働者の職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならない。

引用元:e-GOV法令検索

正社員と比較して、派遣社員に差別的な扱いをすることや、不合理な待遇差を設けることを禁じるということです。

なお、派遣社員の待遇を決める方式には“派遣先均等・均衡方式”と“労使協定方式”の2種類があります。
それぞれの違いについては以下をご覧ください。

【派遣社員の待遇を決める方式】

派遣先均等・均衡方式
  • 派遣先企業の正社員と派遣社員の待遇を比較して、均等・均衡を図る方式
  • 業務内容や責任の範囲、配置の変更範囲などをもとに決定する
労使協定方式
  • 派遣会社と、派遣社員の代表(労働組合や過半数代表者)で締結される“労使協定”をもとに、派遣社員の待遇を決める方式
  • 厚生労働省が示すデータを基準に、平均的な賃金と同等以上の賃金を設定する

どちらの方式が採用されているのかは、派遣会社によって異なります。
こちらについても、気になる場合は派遣会社の担当者に確認しましょう。

派遣の種類

「派遣」とひと口に言っても、実は3種類の働き方があります。
派遣会社によっては扱っていない働き方もあるため、以下の内容を事前によく確認したうえで、自分にはどれが合うのか? を考えましょう。

【派遣の種類】

  • 登録型派遣
  • 無期雇用派遣
  • 紹介予定派遣

登録型派遣

登録型派遣は、派遣会社に登録して有期雇用契約を結び、決められた期間のみ派遣社員として、派遣先企業で働く仕組みです。
その特徴から、有期雇用派遣ともよばれます。

登録型派遣の場合は、派遣会社に登録した段階ではまだ雇用契約は適用となりません。
派遣先企業が決まり、就業が始まってから契約がスタートとなります。

なお、登録型派遣では、先ほど解説した“3年ルール”が適用となるため、同じ職場での派遣社員としての就労が最長3年と決められています。

無期雇用派遣

登録型派遣(有期雇用契約)と異なり、派遣会社とスタッフのあいだで期間を定めない雇用契約を結ぶ働き方を無期雇用派遣といいます。

無期雇用派遣では、派遣先企業との契約の有無にかかわらず、雇用契約が継続します。
なお、登録型派遣とは異なり、無期雇用派遣の場合、派遣社員ではなく派遣会社の正社員という扱いになるのが一般的です。
そのため、給与や福利厚生などの待遇は正社員として適用されることとなります。

紹介予定派遣

紹介予定派遣は、派遣先企業で直接雇用されることを前提とした形態です。

最長6か月という限定的な期間で派遣社員として働き、期間終了後に派遣社員と派遣先企業の双方で合意がとれたら、直接雇用となります。
業務内容や職場の環境に慣れてから直接雇用に移行できるため、派遣期間を“お試し期間”として、自分に合う会社かどうかを判断できます。

派遣とほかの働き方の違い

ここで改めて、派遣とほかの働き方の違いも整理しましょう。

【派遣とほかの働き方の違い】

  • 正社員との違い
  • パート・アルバイトとの違い
  • 業務委託との違い

正社員との違い

派遣社員と正社員で異なるのは、雇用主と労働契約期間の定め、そして所定労働時間の3つです。

派遣社員は派遣会社に雇用されているため、実際の勤務先となる派遣先企業に雇用されているわけではありません。
しかし正社員の場合は、勤務先に直接雇用されています。

また、派遣社員は同じ職場での派遣期間が定められているほか、所定労働時間は時短勤務や週3日の勤務など、比較的自由な設定が可能です。
正社員は労働契約期間の定めがなく、フルタイムの契約となっています。
そのため定年を迎えない限りは基本的に、同じ職場に所属しつづけてフルタイムで働けます。

パート・アルバイトとの違い

まず、パートとアルバイトに法的な違いはありません。
法律上では、1週間の所定労働時間が、同じ事業所の正社員などと比べて短い労働者を「パートタイム労働者」としており、一般的なパートとアルバイトは両方これに当てはまります。

そのうえで、派遣社員とパートタイム労働者のあいだでは、主に雇用主と労働契約期間が異なります。
パートタイム労働者であっても、雇用主は正社員と同じく勤務先の企業です。
また、勤務先によって差があるものの、パートタイム労働者では労働契約期間が定められておらず、長期間働けるケースが多くみられます。

業務委託との違い

業務委託とは、企業または個人が委託企業と契約を結び、業務を受託する形式です。
ここでは、個人が企業と業務委託契約を結ぶケースと派遣社員を比較します。

両者は、契約の種類や雇用保険の加入、責任の所在などさまざまな点が異なります。

派遣社員を含め、これまで紹介してきた働き方と異なり、業務委託はそもそも労働契約ではありません。
委託企業の業務の遂行や、成果物の納品を請け負うために結ぶのが業務委託契約です。
そのため、派遣のように派遣先企業が業務に関する責任を負うのではなく、責任の所在は受託者自身となります。
また、派遣では雇用保険に加入することとなりますが、業務委託はそもそも労働ではないため、雇用保険の対象にはなりません。

派遣社員として働く場合の流れ

ここまでの内容を読んで「派遣で働いてみたい!」と思われた方に向けて、実際に派遣社員として働く場合の主な流れを解説します。
基本的な流れは、どの派遣会社でも大きく変わることはありません。

【派遣社員として働く場合の流れ】

  1. ①派遣会社に登録する
  2. ②仕事の紹介を受ける
  3. ③就業の手続きを行う
  4. ④契約更新・派遣先の変更を行う

①派遣会社に登録する

まずは、派遣会社の拠点に赴き、個人情報や希望の条件、紹介してもらいたい仕事の種類などを登録します。

派遣会社によっては、ここで面談やスキルのチェックなども行われます。
仕事を探すにあたって気になることや不安なことも相談できるため、派遣会社の担当者と直接話したい方は面談を設けている派遣会社を選ぶとよいでしょう。

②仕事の紹介を受ける

登録の場で、希望の条件に合う仕事が見つかったら、そのまま紹介を受けられます。
もし、そのタイミングでは仕事がなかったとしても、後日良い仕事が見つかれば連絡を受けられるためご安心ください。

紹介された仕事に興味があればエントリーし、後日派遣先企業の担当者との顔合わせを行うこととなります。
希望すれば、仕事の様子を実際に確認できる“職場見学”を実施することも可能なので、気になる場合は担当者に相談してみましょう。

③就業の手続きを行う

給与などの条件面や業務内容について説明を受け、問題がなければ就業の手続きに移ります。
派遣会社と雇用契約を結ぶこととなるため、疑問点や不安な点はこのタイミングまでに確認しておきましょう。

その後、勤務初日を迎えたら派遣先企業での仕事が始まります。
これ以降の業務に関する指揮命令は派遣先企業から受けることとなります。
しかし派遣会社からのサポート自体は続くので、仕事に関して不安な点や悩みが出てきた場合は派遣会社の担当者に相談して問題ありません。

④契約更新・派遣先の変更を行う

あらかじめ定めていた契約期間を迎えたら、同じ派遣先企業での契約を更新するか、あるいは契約満了として派遣先を変更するか、どちらかを選ぶこととなります。

なお、いずれの場合も派遣会社と派遣社員、双方の合意が必要となります。

派遣社員として働くメリット・デメリット

最後に、派遣社員ならではのメリット・デメリットを紹介します。
ご自身の働き方を考えるうえでの参考材料としてください。

メリット

派遣社員には、正社員をはじめとするほかの働き方と比較して、以下のようなメリットがあります。

【派遣社員のメリット】

  • 派遣会社からのサポートを受けられる
  • ライフスタイルや希望に合わせて仕事を選べる
  • さまざまな職場を経験できる

派遣社員の最大のメリットは、仕事探しの段階から派遣会社のサポートを受けられる点です。
ご自身のスキルや希望の条件、キャリアプランを踏まえて、派遣会社の担当者が条件に合う仕事を探してくれるため、自分で仕事を探すよりもスムーズに進むでしょう。
派遣先企業での勤務が開始してからも派遣会社の担当者に相談できる体制が整っているため、何かトラブルが起きた際も安心です。

また、派遣社員はフルタイム以外の働き方も選ぶことができ、そのうえで基本的に残業や急な休日出勤はないため、ご自身のライフスタイルに合わせて無理なく働けます。

さらに、契約満了のタイミングでほかの企業の仕事を選べる点も大きなメリットです。
興味のあるさまざまな仕事を経験して、スキルアップに役立てられるでしょう。

デメリット

派遣社員には、メリットだけでなくデメリットも存在します。
以下の内容を、先ほどのメリットと照らし合わせて、ご自身に合う働き方かどうかを検討しましょう。

【派遣社員のデメリット】

  • 雇用が比較的不安定である
  • 3年ルールの定めがある
  • 仕事の裁量が限られている

正規雇用と比較すると、派遣社員は雇用が不安定である事実は否めません。
たとえご自身に継続の意思があったとしても、契約を更新するかどうかは派遣会社の合意が必要であるためです。

また契約を更新した場合でも、同じ職場で派遣社員として働けるのは3年までと決められています。
3年経てば無期雇用派遣や直雇用にステップアップできるチャンスもあるため、雇用の不安定さをカバーすることは可能ではあります。
しかし、あえて派遣社員という立場のまま同じ職場で働きつづけたい方にとってはデメリットと感じられるでしょう。

また、派遣社員は裁量の大きな仕事をあまり任せてもらえない傾向があるため、「責任のある仕事をこなしてステップアップしたい」という方にとってもデメリットになる可能性があります。

派遣会社は、スタッフと雇用契約を結んで勤務先を紹介する仕組みになっている

今回は、派遣会社の仕組みや派遣社員の働き方について解説しました。

登録型派遣とよばれる形態で派遣社員として働く場合は、派遣会社と雇用契約を結び、決められた期間内のみ派遣先企業で業務にあたる仕組みとなっています。
ほかにも、無期雇用派遣や紹介予定派遣という仕組みもあるため、まずはご自身に合う働き方はどれなのかを考えるとよいでしょう。

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この記事の監修者

柴田 直樹(しばた なおき)

  • 株式会社ホットスタッフ伊勢崎
  • 株式会社ホットスタッフ太田 代表取締役
  • ホットスタッフグループ 取締役

<プロフィール>
2010年 株式会社ホットスタッフに入社。愛知県の4拠点を経て2017年 ホットスタッフ伊勢崎 を開設。2019年 ホットスタッフグループ 取締役に就任。

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