派遣社員として働くうえで、時給の相場は気になるポイントではないでしょうか。
時給は職種や地域、雇用時の条件など、さまざまな要因によって変わります。
本記事では、派遣社員の時給の相場や時給を上げるためのポイントを詳しく解説します。
記事の後半では、アルバイト・正社員との給与の違いの理由にも触れますので、ぜひご一読ください。
目次
派遣社員の時給の相場は?
派遣社員の時給の相場は、労働者派遣(有期雇用派遣)と常用型派遣(無期雇用派遣)で異なります。
本記事では、厚生労働省が発表している「令和5年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」を参考に、“日給÷8(時間)”で時給を算出しています。
労働者派遣とは、派遣会社と有期契約を結び、派遣先企業で働く労働形態のことで時給制が採用されているのが基本です。
時給を計算すると、約1,735円となります。
一方で、常用型派遣は派遣会社と無期限の雇用契約を結び、派遣先企業で働く仕組みで、月給制を採用しています。
時給に換算すると、相場は約2,083円です。
常用型派遣の時給が高い主な理由は、賞与や退職金、交通費などが基本時給に含まれているためです。
また、職種によっても時給が大きく異なります。
詳細については、次項で解説いたします。
参照元:厚生労働省「令和5年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報) p9」
【職種別】派遣社員の平均時給と業務内容
主な職種別に見た派遣社員の平均時給は、以下の通りです。
今回は、「一般社団法人 日本人材派遣協会」のアンケート結果(2021年度)を参考にしました。
職種別の平均時給(全国平均)
| 事務・オフィスワーク | 販売・接客業 | 製造・軽作業・物流系 | IT系 | 医療・介護系 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 平均時給 | 約1,500円 | 約1,500円 | 約1,200円 | 約2,000円 | 約1,500円 |
平均時給が突出して高いのはIT系で、その他の職種はおおむね近い水準にあるといえます。
職種によって時給に差がある理由は次項で解説します。
それでは、表で挙げた5つの職種の平均時給と業務内容について見ていきましょう。
参照元:一般社団法人 日本人材派遣協会「人材派遣を知る データ」
事務・オフィスワーク
事務・オフィスワークの平均時給は、約1,500円です。
派遣社員として事務・オフィスワークに従事する場合は、主に以下の業務を行います。
事務・オフィスワークの主な仕事内容
- 資料作成
- 資料のファイリング
- データ入力
- 電話・来客対応
これらの業務においては、WordやExcel、PowerPointなどのOfficeソフトを使うことが多く、基本的な操作が問題なく行えると即戦力として重宝されます。
事務・オフィスワークの業務は、周囲の方をサポートするのが好きな方や、OAスキルを身につけたい方にもおすすめです。
販売・接客業
派遣社員として販売・接客業に従事する際の平均時給は、事務・オフィスワークと同水準の約1,500円となります。
販売・接客業の種類は、携帯ショップのカウンター業務やアパレル店の接客・販売、化粧品の販売、飲食店のホールスタッフなど多岐に渡ります。
業務内容は職種や現場によって異なりますが、以下の業務を担当するのが一般的です。
販売・接客業の主な仕事内容
- 接客
- 在庫管理
- 店内清掃
- お客さまのサポート対応
未経験の方を歓迎している企業も多く、社会人としての基本的なマナーが備わっていれば、未経験でも働ける可能性があります。
また、実際の業務にあたる前に研修を行ってくれるため、初めての方でも安心です。
経験を積んだあとは派遣社員でも、店舗のマネージャーや本社勤務などのキャリアアップが狙えるので、挑戦しがいがある職種といえます。
製造・軽作業・物流系
製造・軽作業・物流系の平均時給は約1,200円で、先述した職種の平均時給と比較すると、やや低い傾向にあります。
これは同職種ではルーティンワークが主で、特別な資格を必要としないためです。
製造・軽作業・物流系で従事するのは、主に次のような作業です。
製造・軽作業・物流系の主な仕事内容
- 工場の軽作業
- 食品製造
- 製品・部品の検査
- OA機器の修理・メンテナンス
基本的には、手順書やマニュアルが用意されているので、安心して仕事を進められます。
外部の方と接する機会が少なく、コツコツと進める業務がほとんどなので、コミュニケーションがあまり得意ではない方や、ルーティンワークが得意な方におすすめです。
IT系
IT系は専門的なスキルを求められることが多いため、平均時給は約2,000円と突出して高い水準にあります。
業務内容も専門的な知識を活かした、次のような仕事に従事します。
IT系の主な仕事内容
- プログラミング
- サーバー機器の設計
- IT関連の問い合わせ対応
- 開発成果物のテスト・評価
プログラマーとして業務にあたる場合は、JavaScriptやPythonなどのプログラミング言語の習得が必須です。
スキルの習得はプログラミングスクールや、派遣会社が提供している資格取得の支援制度でできるため、未経験であればまずはこれらを活用し、技術の習得を目指しましょう。
医療・介護系
医療・介護系の平均時給は約1,500円で、派遣社員の平均時給をやや下回っています。
主な仕事内容は職種によって異なりますが、基本的には以下の通りです。
医療・介護系の主な仕事内容
- 診療補助
- 患者補助
- 入浴介助
- 食事介助
- 看護記録の作成
職種によっては資格が必要で、その場合は前述した医療・介護系の平均時給よりもさらに高い時給が見込めます。
また、就業期間中に資格を取得するための費用をサポートしてくれるところも少なくありません。
介護施設や病院には、介護福祉士や介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)などの資格を持った派遣社員が多く働いています。
介護福祉士や介護支援専門員、社会福祉士などの国家資格の取得を目指し、働きながら勉強している方も少なくないので、時給アップを目指して挑戦してみてもよいでしょう。
派遣の時給を決める主な要因
派遣社員の平均時給と職種別の平均時給を押さえたところで、ここからは派遣の時給を決める主な要因をご紹介します。
派遣の時給を決める主な要因
- 同一労働同一賃金の原則
- 市場における需要と供給
- 経験・スキル・資格の有無
同一労働同一賃金の原則
同一労働同一賃金とは、正社員と派遣社員のあいだに不合理な待遇差を設けてはならないという原則のことです。
基本的に、派遣社員の給与は同一労働同一賃金のなかの、“派遣先均等・均衡方式”と“労使協定方式”の2種類に基づいて決定されます。
それぞれの方式の詳細な内容は、以下の通りです。
派遣先均等・均衡方式と労使協定方式の概要
| 内容 | |
|---|---|
| 派遣先均等・均衡方式 | 派遣先企業の正社員と同様の業務に従事する場合、その正社員と給与を同一にする方式のこと。 |
| 労使協定方式 | 派遣先企業と労働者代表※が協定を結び、派遣社員の待遇を決める方式のこと。 |
※従業員を代表する者のことで、派遣会社に労働組合がない場合は、従業員のなかから投票や立候補によって決められる。
給与額の決定において、派遣先均等・均衡方式が採用されれば、給与だけでなくボーナスや福利厚生なども享受できます。
正社員と同等の待遇を受けられるため、高いモチベーションを維持したまま働けるでしょう。
ただし、派遣先均等・均衡方式に基づいて給与額を決定すると、派遣社員は派遣先企業を移るたびに給与が変動することになり、生活がなかなか安定しません。
その点、労使協定方式であれば、国が定める同一の地域・職種の平均賃金を基準に給与を決めるため、派遣先が変わっても給与が比較的安定しやすいといえます。
給与の安定性という点では違いがありますが、いずれの方式も派遣社員の待遇を守るための制度です。
どちらも明確な基準に基づいて賃金を決定するので、正社員と派遣社員で不合理な待遇差が生じにくい仕組みとなっています。
市場における需要と供給
派遣社員の時給は、先述した2種類の方式のほかに、市場の需要と供給による影響を受けます。
近年は人材不足のあおりで、接客業や製造・物流系、介護系といった職種の時給は上昇傾向にあります。
これらの職種はほかの職種と比べて人材不足が深刻で、人材を確保するために時給を高く設定しているのです。
もし、過去に同じ職歴があったり、働くうえで有利な資格を持っていたりすると、通常より好条件で雇用してもらえる可能性があります。
こうした“自身の市場価値”を見据えて求職活動を行うと、高時給の仕事が見つかるかもしれません。
経験・スキル・資格の有無
経験やスキル、保有している資格によっても時給は左右されます。
ITや専門職は専門的なスキルが求められるため、時給が高く設定されがちです。
「同様の職種を経験したことがある」「Officeソフトを難なく使いこなせる」などのアピールポイントがある場合も、時給アップが狙えます。
一方、マニュアルや手順書に沿って業務に取り組める職種や、資格を特に持っていなくても働ける職種は、未経験の方もこなせるので、時給は比較的低めに設定されています。
アルバイト・正社員との給与の違い
まず、アルバイトと派遣社員の給与を比較すると、派遣社員のほうが給与は高い傾向にあります。
これは未経験者が多いアルバイトに対し、派遣社員は最初から専門スキルを持った即戦力として採用されることが多いためです。
一方、正社員と比較すると、派遣社員の給与は年収ベースでは正社員に及びません。
正社員は派遣社員と異なり、ボーナスや退職金などまとまったお金が入ることが多いのが理由です。
このように、派遣社員の給与はアルバイトよりも高く、年収ベースでは正社員を下回ります。
派遣社員として時給を上げるためのポイント
最後に、派遣社員が時給を上げるために取り組むべき3つのポイントを紹介します。
時給を上げるためのポイント
- 専門的なスキルや資格を身につける
- 派遣会社に時給アップを交渉する
- 高時給の求人を紹介してくれる派遣会社を選ぶ
専門的なスキルや資格を身につける
時給を上げるためにもっとも有効な方法は、専門的なスキルや資格を身につけることです。
職種によって身につけるべきスキルや資格は異なりますが、ITスキルや介護・医療資格(メディカルケースワーカー)などは、取得しておくと有利にはたらいてくれます。
また、派遣会社によってはリスキリングをサポートしているところもあるので、それを有効活用して資格を取得し、時給アップにつなげましょう。
派遣会社に時給アップを交渉する
「スキルや資格を身につけるのは難易度が高い……」という方は、派遣会社の担当者に直接時給アップの交渉をするのも一つの方法です。
遅刻や欠勤がなく、任せてもらえる仕事内容が増えたタイミングで交渉すると、時給アップが叶う可能性があります。
なお、交渉するときは派遣先企業の担当者ではなく、派遣会社の担当者に行ってください。
なぜなら、雇用主は派遣会社であり、派遣先の担当者に直接交渉した場合、契約違反とみなされ、トラブルに発展する可能性があるためです。
時給の交渉をする際は、「今後も働いていきたいので時給を上げてほしい」という意思をみせると、ポジティブな相談として受け取ってもらえます。
高時給の求人を紹介してくれる派遣会社を選ぶ
派遣会社によって契約している会社も違えば、得意とする職種分野も違い、それは当然、時給の差になって現れます。
時給を上げたいのであれば、より高時給の求人を紹介してくれる派遣会社を選びましょう。
派遣会社を選ぶ際は、複数の会社を比較検討することが大切です。
比較することで、時給はもちろん、交通費の有無やサポートの内容といった条件も見えるので、より好条件の派遣会社を見つけられます。
派遣社員の時給の相場は、雇用形態や職種など、さまざまな要因によって決まる
派遣社員の時給は、労働者派遣か常用型派遣で異なります。
また、同一労働同一賃金の考えのもと導入された、派遣先均等・均衡方式と労使協定方式のいずれを採用しているかによっても、時給は変わります。
職種や地域による差も大きいので、高時給で働きたい場合は、一度派遣会社の担当者に相談してみるのがおすすめです。
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