派遣の働き方

派遣社員でもボーナスをもらえる?支給条件や仕組みを解説

ボーナスとは、毎月の給料とは別に、会社の規定や個人の業績に応じて支払われる臨時の賃金のことです。
派遣社員の場合、正社員と比べるとボーナスが支給されにくいイメージがあるかもしれませんが、実は待遇決定方式や就業規則によってはもらえるケースもあります。

本記事では、派遣社員のボーナスの支給条件や、制度の仕組みなどを解説します。
年収を上げるためのポイントもお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。

派遣社員はボーナスをもらえる?

一般的に、派遣社員に対してボーナスが支給されるケースは多くありません。
派遣社員の基本給には、あらかじめボーナス相当額や交通費などの手当が含まれている傾向があるためです。
このことから、多くの派遣社員の時給は、パートやアルバイトよりも高めに設定されています。

なお、派遣社員の待遇は、同一労働同一賃金という原則に基づき、“派遣先均等・均衡方式”と“労使協定方式”のいずれかで決められます。
いずれの待遇決定方式でも、条件によってはボーナスが支給される場合があるため、2つの方式の内容を押さえておくことが重要です。
そのために、まずは同一労働同一賃金の考え方を把握し、派遣社員のボーナス制度の仕組みについての理解を深めましょう。

同一労働同一賃金とボーナスの関係

2020年の法改正により、同一労働同一賃金の考え方が本格的に導入されました。
これは、正規雇用労働者と非正規雇用労働者とのあいだに、不合理な待遇差を設けてはならないというルールです。

厚生労働省が策定する「同一労働同一賃金ガイドライン」には、両者のボーナスについて以下のように記載されています。

ボーナス(賞与)であって、会社の業績等への労働者の貢献に応じて支給するものについては、同一の貢献には同一の、違いがあれば違いに応じた支給を行わなければならない。

引用元:厚生労働省「同一労働同一賃金ガイドラインの概要p2」

また、賃金の決定基準に違いを設ける場合、職務内容や責任の範囲など、客観的かつ具体的な実態に基づいて判断する必要があります。

このような指針を踏まえて、派遣社員のボーナスに関しても、雇用形態のみを理由とする不合理な待遇差が生じないような仕組みが求められているのです。

では続いて、派遣社員のボーナスの有無に関係する、待遇決定方式について説明します。

派遣社員のボーナスに影響する待遇決定方式とは?

派遣社員の待遇決定方式には“派遣先均等・均衡方式”と“労使協定方式”の2種類があり、どちらを採用しているかによってボーナスの扱いが異なります。
ボーナスの有無やその金額を把握するために、まずはご自身の契約がどちらの方式になっているかを確認しましょう。

派遣先均等・均衡方式の場合

派遣先均等・均衡方式は、派遣社員と、派遣先企業で同じ業務を行う正社員とのあいだに、不合理な待遇差が生じないようにするための方式です。

この方式が採用されている場合、派遣先企業の正社員にボーナス制度があれば、派遣社員にもボーナスが支給される可能性があります。
ただし、職務内容や責任の範囲、将来的な配置変更の有無などに違いがある場合は、正社員との支給額に差が生じる、あるいは支給されないことも考えられます。

なお、派遣先企業によってはボーナス制度自体がない場合もあるため、派遣会社から提示される労働条件や、派遣先企業の就業規則を確認することが大切です。

労使協定方式の場合

派遣会社と派遣社員の代表(過半数労働組合または過半数代表者)が協定を結び、その内容に基づいて賃金や各種手当を決める方式を、労使協定方式といいます。
この場合、派遣社員の待遇が派遣先企業の就業規則に左右されることはありません。
派遣社員の賃金水準は、同種の業務に従事する一般労働者の平均賃金と同等、もしくはそれ以上になるよう設定されます。

労使協定方式において、ボーナスは別途支給されるのではなく、ボーナス相当額を時給に含めるかたちで支払われることが一般的です。
多くの派遣会社で採用されている方式であるため、仕組みを十分に理解しておきましょう。

派遣でもボーナスが見込める働き方

先述の通り、派遣社員の場合、ボーナス相当額が基本給に含まれているケースが多く見られます。
しかし、派遣の種類はいくつかあり、そのなかで“常用型派遣(無期雇用派遣)”と“紹介予定派遣”ではボーナスが別途支給される可能性があります。
以下で、それぞれの働き方の特徴とボーナスの関係を見ていきましょう。

常用型派遣(無期雇用派遣)

常用型派遣は、派遣会社と無期雇用契約を結び、派遣先企業で働く派遣形態です。
この場合、派遣社員の待遇は派遣会社の就業規則に基づくため、派遣会社にボーナス制度があれば、毎月の給料とは別にボーナスが支給される可能性があります。

ただし、ボーナスの支給には、一定の勤務日数や勤務時間などの条件が設けられていることが一般的です。
ご自身が支給対象となるかどうかを把握するために、あらかじめ契約内容を確認しておきましょう。

紹介予定派遣

紹介予定派遣は、将来的に派遣先企業の正社員もしくは契約社員になることを前提に、派遣社員として一定期間就業する働き方です。
最長6か月の派遣期間を経て、派遣社員と派遣先企業の双方が合意すれば、直接雇用に切り替えられます。

派遣期間中は原則として派遣契約に基づく労働条件が適用されますが、直接雇用に移行したあとは、派遣先企業の就業規則に従うこととなります。
そのため、派遣先企業にボーナス制度がある場合は、規定に応じてボーナスが支給されるでしょう。

ボーナスの金額が決まる仕組み

ここまで、派遣社員でもボーナスの支給が見込める働き方を解説しました。
では、実際にボーナスが支給される場合、その金額はどのように決められるのでしょうか。
本項では、2種類の代表的なボーナスの算定方法を紹介します。

基本給連動型賞与

基本給連動型賞与は、「基本給の○か月分」「基本給の○%」など、毎月の基本給をもとにボーナスの支給額を算出する仕組みです。
計算方法がシンプルであるため、収入の見通しを立てやすい点が特徴です。

一方で、支給額が基本給に比例することから、勤続年数が長く基本給が高い社員ほど、ボーナスの金額が高くなる傾向にあります。
また、個人の業績が反映されにくい側面もあるため、次に紹介する業績連動型賞与と併用している会社も多く見られます。

業績連動型賞与

業績連動型賞与の場合、個人や部署、会社の業績に応じてボーナスの支給額が変動します。
日々の成果がボーナスに影響するため、モチベーションを維持して働ける点が特徴です。

ただし、業績が悪化した場合は減額される、あるいは支給されない可能性もあります。
支給額の算出方法は各企業が個別に定めているため、派遣会社の担当者に確認するとよいでしょう。

派遣社員が年収を上げるためのポイント

派遣社員としてより高い収入を得るには、ボーナスの有無のみに注目するのではなく、時給自体を上げることも重要です。
ここでは、年収を増やすために実践したい4つのポイントを紹介します。

派遣社員が年収を上げるためのポイント

  • ポイント①専門的な知識やスキルを磨く
  • ポイント②派遣会社の担当者に相談する
  • ポイント③高収入を望める派遣先企業に応募する
  • ポイント④高収入を目指せる求人を紹介してくれる派遣会社に登録する

ポイント①専門的な知識やスキルを磨く

専門的な知識やスキルを習得することで、対応できる業務の範囲が広がり、時給アップにつながる可能性が高くなります。

ご自身のスキルを客観的に示すために、業務に関連する資格は積極的に取得しましょう。
たとえば、経理の場合は日商簿記検定やFP技能士の資格を取る、英語を扱う仕事の場合はTOEICで高得点を目指すなど、ご自身の業務に合わせて選ぶと効果的です。

なお、専門資格を求められる派遣先企業では、時給が高く設定されている傾向にあります。
専門的な知識やスキルを身につければ、現在の職場で昇給が目指せるだけでなく、転職する際に高収入の仕事を選べるという利点もあるのです。

ポイント②派遣会社の担当者に相談する

昇給を希望する場合は、契約更新の1か月前を目安に派遣会社の担当者に相談しましょう。
契約開始時に比べてスキルが向上しており、より大きな成果を残せると判断されれば、時給を上げてもらえる可能性があります。

昇給の相談や交渉をする際は、ご自身の身につけた専門的なスキルや、業務で活かせる資格などをアピールすることが大切です。
くわえて、派遣先企業での業務で培った経験を具体的に伝えることができれば、時給の見直しを前向きに検討してもらえるでしょう。

ポイント③高収入を望める派遣先企業に応募する

派遣社員の収入は業種や職種によって変わるため、高収入が見込める仕事を選ぶことでも、収入アップが見込めます。
なかでも、日商簿記2級やITパスポートなどの資格を活かせる事務職、IT関連職など、労働市場における需要の高い職種は時給が高い傾向にあります。

ポイント④高収入を目指せる求人を紹介してくれる派遣会社に登録する

派遣会社に登録する際は、高時給の求人を多く取り扱っているかどうかを確認することも大切です。
先述の通り、貿易事務や経理事務、IT関連職などの職種は、業務に関連する資格を取得することで、時給の高い仕事を紹介してもらいやすくなります。

派遣社員として収入を増やしたい場合は、ご自身のスキルや経験を活かせる分野に強みをもつ派遣会社を選ぶとよいでしょう。

派遣会社に昇給を相談するタイミング

派遣社員の給料は、正社員のように定期的な人事評価で見直されるものではなく、契約更新時の条件変更や個別の相談によって決まります。
そのため、派遣会社が派遣先企業と労働条件を調整しやすいタイミングを見計らって、相談することが大切です。
具体的には、以下のような時期を目安にしてみてください。

派遣会社に昇給を相談するタイミング

  • 契約を更新するとき
  • 資格を取得したとき
  • 派遣先企業を変更するとき

契約を更新するとき

昇給の相談にもっとも適しているのは、契約更新のタイミングです。
派遣は一定期間ごとに契約を更新するため、その節目で労働条件を見直すことができます。
特に、「担当業務が増えた」「新人社員の教育を任された」など、当初の契約より求められる役割が大きくなっている場合は、時給アップを検討してもらいやすくなるでしょう。

ただし、更新の直前には、派遣会社と派遣先企業のあいだで契約内容がすでに固まっている場合もあります。
昇給を検討してもらうためには、更新の1か月前を目安に余裕をもって相談することが大切です。

資格を取得したとき

資格の取得は、時給アップにつながる重要な要素といえます。
派遣社員の時給は、本人のスキルや経歴、担当する業務内容などを踏まえて設定されているためです。

資格を取得した際は、派遣会社の担当者に共有し、スキルに見合った案件の紹介や、次回更新時の時給の見直しについて相談してみましょう。
その際には、取得した資格が実務のどの場面で役立ち、業務効率化や成果向上にどのように結びつくのかを具体的に説明することが重要です。
たとえば、「経理関係の資格を取得したため月次処理の範囲を広げられる」「MOSの学習で資料作成のスピードが上がった」など、具体例を挙げると説得力が高まります。

派遣先企業を変更するとき

派遣先企業の変更時も、時給アップが見込めるタイミングの一つです。
現在の職場で時給が上がりにくい場合でも、別の派遣先企業ではご自身のスキルや経歴が評価され、高い時給で働ける可能性があります。

派遣先企業の変更を検討する際は、「同じ業務内容でより条件の良い求人がないか」「自身のスキルや経験を活かせる求人がないか」を派遣会社の担当者に確認しましょう。
また、時給だけでなく、交通費や残業手当などの支給条件も含めて総合的に判断すると、結果的に年収アップにつながります。

派遣社員のボーナスの支給有無は、待遇決定方式や就業規則によって異なる

一般的に、派遣社員の基本給にはボーナス相当額や各種手当が含まれており、ボーナスが別途支給されるケースは多くありません。
同一労働同一賃金の考え方のもと、派遣先均等・均衡方式と労使協定方式のいずれを採用しているかによって、ボーナスの仕組みは異なります。
また、常用型派遣や紹介予定派遣の場合は、条件次第でボーナスが支給される可能性もあります。

まずはご自身の契約内容を確認し、制度の仕組みを十分に理解したうえで、年収アップにつなげることが大切です。

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