
将来設計として、「派遣で経験を積んでから正社員を目指そう」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
派遣社員から正社員になる方法はいくつかあり、実際にそれらのプロセスをたどって正社員になる方も少なくありません。
本記事では、派遣社員から正社員になる方法を、成功するために意識すべきポイントとともに解説します。
“正社員として働く”という目標を着実に実現するために、ぜひお役立てください。
目次
派遣社員から正社員を目指す方法
それでは、さっそく派遣社員から正社員になるための主な方法を4つ紹介します。
紹介予定派遣で働く
最初に挙げられるのは、“紹介予定派遣”という制度を活用することです。
紹介予定派遣は、将来的に直接雇用することを前提に派遣契約を結ぶ制度です。
最長6か月間を限度に派遣社員として働き、派遣先企業・労働者双方の合意が成立した場合に正社員に採用されます。
実際の職場環境を知ったうえで働くかどうかを決められるので、入社後のミスマッチを抑えられるのがメリットです。
ただし、紹介予定派遣はあくまで“直接雇用すること”を予定した制度である点に注意が必要です。
派遣先企業での雇用形態には、正社員だけでなく契約社員やアルバイトの場合もあります。
正社員を目指して同制度の活用するのであれば、応募先を選定する際に派遣先企業が提示している雇用形態が何かを必ずご確認ください。
正社員登用制度を活用する
派遣先企業で正社員になる方法として、“正社員登用制度”の活用も考えられます。
正社員登用制度とは、一定のスキルや実績が認められた非正規雇用者を正社員として登用する制度のことです。
昨今の働き方改革推進の流れを受け、多くの企業が同制度を導入しています。
厚生労働省が令和7年2月に実施した「労働経済動向調査」によると、正社員登用制度を設けている企業の割合が全体の78%に上ることが判明しました。
しかし、制度自体は導入していても、実際に活用した前例がない企業も多いのが現状です。
同調査で正社員登用制度があると答えた78%の企業のうち、34%が“登用実績なし”と回答しています。
正社員登用制度を活用して正社員を目指すのであれば、派遣先企業で実際に登用実績があったかどうかを派遣会社の担当者に確認しておくことをおすすめします。
参照元:厚生労働省「労働経済動向調査(令和7年2月)の概況p14」
派遣会社で正社員(無期雇用派遣)として登用される
派遣先企業ではなく、所属している派遣会社に正社員として登用されるのも一つの方法です。
派遣会社のなかには、正社員として労働者と契約を結ぶ“無期雇用派遣”という制度を設けているところもあります。
派遣先企業のもとで働く、という仕組み自体は通常の派遣と変わりませんが、無期雇用派遣では期間を定めずに派遣会社と雇用契約を結ぶのが異なる点です。
そのため、待機中も給料、または休業手当の支給を受けられるようになります。
正社員を目指す理由が、雇用や収入面への安定性にある場合には、無期雇用派遣も選択肢に入るでしょう。
転職する
派遣社員から正社員になるもっとも一般的な方法は、転職活動を通じて正規雇用で採用されることです。
派遣で業務経験を積むことで、専門的なスキルや知識が身につき、未経験の場合よりも転職が成功する可能性が高まります。
転職活動の際は、転職サービスの利用がおすすめです。
自己分析や履歴書・職務経歴書の添削、また面接対策といった転職のサポートを受けられるため、より効率的に転職活動を進められます。
派遣社員から正社員を目指すメリット
派遣社員から正社員になる大きなメリットとして、雇用や収入の面で安定することが挙げられます。
派遣で働いている場合は、派遣契約の期間が最長3年までと定められており、職場を転々とする必要があります。
新たな就業先が見つかるまでは収入を得ることはできず、雇用面や収入面に不安を感じる方も少なくありません。
対して正社員であれば、雇用期間の制限がなく、安定的に収入が得られます。
キャリアを積めば昇進して給料が上がるうえ、企業によっては賞与の支給があるため、派遣社員よりも多くの収入を得られる可能性が高いといえます。
こうした点に魅力を感じる場合には、以下で解説するポイントを意識して、正社員になることを目指しましょう。
派遣先企業で正社員になるために意識すべきポイント
紹介予定派遣や正社員登用制度を活用しても、派遣先企業で正社員として雇用されるのは簡単なことではありません。
本項では、派遣先企業で正社員に登用される可能性を高めるための3つのポイントを解説します。
ポイント①良い勤務態度を心がける
勤務態度が良いことは、正社員として派遣先企業に雇用されるうえでの絶対条件です。
遅刻や欠勤は最小限に抑えましょう。
遅刻や欠勤が多いと、職場での印象が悪くなるおそれがあります。
また「責任の必要な仕事は任せられない」と評価されることにもつながり、正社員として登用される可能性は低くなってしまうでしょう。
正社員を目指すのであれば、寝坊による遅刻や無断欠勤をしないのはもちろん、体調不良などのやむを得ない事情の遅刻や欠勤も可能な限り控えたいところです。
日ごろから健康管理に努め、勤務態度でマイナスの評価を受けないように心がけることが大切です。
ポイント②業務で成果を出す
派遣先企業の業務で、しっかりと成果を出すことも重要です。
企業が派遣社員を正社員に迎えたくなるのは、期待以上の成果を出してくれたときです。
能力の高さを証明し、「今後も自社で活躍してほしい」と思ってもらうことができれば、正社員としての採用を検討してくれるでしょう。
成果としては、数値化できる成果を残せるとより効果的です。
問い合わせの対応件数が一番多い、テレアポ獲得件数でトップの成績を収めるなど、実績を客観的に証明できると、正社員登用を判断する際の材料として有利にはたらきます。
ポイント③職場で円滑なコミュニケーションを取る
派遣先企業で正社員になるためには、業務に対する高いスキルだけでなく、コミュニケーション能力も欠かせません。
企業では、周囲との協力を図って業務の円滑化や柔軟な問題解決に貢献できる、協調性のある人材が重宝されます。
コミュニケーション能力は、協調性がどのくらいあるのかを見極める一つの指標であるため、正社員としての雇用を検討する際の判断材料にされるのです。
普段から気持ちの良い挨拶をする、また周囲への配慮をもって接するといった基本的なことは必ず行いましょう。
くわえて「派遣社員だから……」と臆さず、成果や問題の改善につながるコミュニケーションも積極的に取りたいところです。
紹介予定派遣から正社員になる場合の流れ
紹介予定派遣を利用して正社員を目指す場合は、派遣会社に登録してから正社員になるまでの具体的な流れも確認しておきましょう。
同制度を活用するうえでは、登録の段階から正社員になることを念頭に置いて行動する必要があります。
【紹介予定派遣から正社員になる場合の流れ】
- 派遣会社に登録する
- 希望条件に合う企業を選ぶ
- 選考を受ける
- 派遣先企業で就業を開始する
- 直接雇用の意思を確認される
それぞれのステップの詳細を順に説明します。
ステップ①派遣会社に登録する
まずは、派遣会社にて派遣登録を行います。
登録先を選ぶ際は紹介予定派遣の取り扱い件数、また正社員として直接雇用を実現した人数を確認しましょう。
実績が多い会社を選ぶことで、自身が正社員として雇用される可能性が高まります。
ステップ②希望条件に合う企業を選ぶ
派遣会社に登録すると、これまでの経歴や要望に関するカウンセリングが行われます。
ヒアリングで確認した情報に基づき、担当者から派遣先企業が提示されます。
そのなかから、自身の希望条件にマッチしている企業を選びましょう。
このとき、提示された派遣先企業が、どのような雇用形態での直接雇用を想定しているのか確認することが大切です。
正社員登用の可能性が低いところを選んでしまうと、派遣社員から正社員になるという本来の目的は達成できません。
ステップ③選考を受ける
応募先が決まったら、選考へと進みます。
通常の派遣契約では、派遣先企業が派遣社員を直接面接することは法律で禁止されていますが、紹介予定派遣は直接雇用を前提としているため認められています。
選考方法は派遣先企業によって異なるものの、書類審査や面接のいずれか、もしくは両方を実施するのが一般的です。
どの場合も派遣会社の担当者から選考のサポートを受けられるため、安心して準備に取りかかることができるでしょう。
ステップ④派遣先企業で就業を開始する
派遣先企業の選考を通過したら、いよいよ派遣社員として就業がスタートします。
紹介予定派遣の場合、派遣社員として働ける期間は、最長6か月と法律で定められています。
この期間に職場の雰囲気や業務内容を確認し、正社員として今後も働けるかどうかをしっかりと見極めたいところです。
ステップ⑤直接雇用の意思を確認される
派遣契約の期間が満了する2週間から1か月程度前に、派遣先企業と派遣社員に直接雇用の意思を確認する機会が設けられます。
この場で双方の合意が成立した場合に、正社員として働くことができます。
もし、職場が自身に合わなかった、あるいは企業から合意がもらえないといった場合には派遣会社から新たな案件の紹介を受けましょう。
その際の就労経験が次の選考や業務で有利にはたらく可能性があるため、諦めないことが大切です。
派遣社員から正社員への転職を成功するためのポイント
本項では、派遣社員から正社員への転職を成功するためのポイントを解説します。
派遣社員として就業するときから以下の3つのポイントを意識して働くことで、よりスムーズに転職活動を進められるようになるでしょう。
ポイント①自身の経験や強みを整理する
派遣社員から正社員を目指すにあたっては、転職活動を進める前に自身のスキルや強みを整理しておくことが大切です。
どのような仕事にも、その分野で得られる特有のスキルや強みがあります。
たとえば、事務職であればオフィス業務を効率化するためのOAスキルが身につけられるでしょう。
また、営業職であれば顧客から要望を聞き出すための傾聴力や、成約へとつなげる提案力などが養えます。
こうした経験を通して、派遣社員としてどのような力を身につけてきたのかを整理しておくことで、転職活動で自身の魅力を効果的にアピールできるようになります。
ポイント②キャリアプランを考える
キャリアプランを考えておくことも、派遣社員から正社員になるための転職活動では欠かせません。
キャリアプランは、応募先の選定と面接の場面で非常に役立ちます。
企業が提示するキャリアパスと自身の考えるキャリアプランを照らし合わせれば、応募すべき企業を円滑に絞り込めるでしょう。
また面接で転職理由を聞かれたときに、キャリアプランを交えて答えることで「自社で働くビジョンが明確にあるのだな」と採用担当者に好印象を与えられます。
派遣社員から正社員になることで達成したい目標や将来設計から、転職によってどのようなキャリアを進んでいきたいのか真剣に考えておくことをおすすめします。
ポイント③志望する業界を研究する
働く業界を研究することも、派遣社員から正社員になるうえでは重要です。
業界の研究を進めることで、求められるスキルや経験が明確になり、派遣の仕事で身につけるべき能力を意識して働けるようになります。
その結果、転職活動も円滑かつ有利に進められるのです。
業界の研究では、就職情報サイトや業界団体のホームページ、また新聞などを参考にするのが一つの方法です。
これらの媒体から業界のビジネスモデルや将来性、課題といった情報を抽出し、派遣社員として働く際に生かしましょう。
派遣社員から正社員になる方法は4通り!自身に合った方法で正社員を目指しましょう
本記事では、派遣社員から正社員になる方法を、成功するために意識すべきポイントとともに解説しました。
派遣社員から正社員になる方法として、主に4通りが考えられます。
具体的には、紹介予定派遣もしくは正社員登用制度を活用して派遣先企業に雇用されること、派遣会社の正社員になること、転職することの4つです。
なかでも派遣先企業で正社員を目指す際は、日ごろから良い勤務態度で仕事に取り組み、円滑なコミュニケーションを心がけましょう。
派遣先企業で正社員になることを目指すのであれば、ぜひホットスタッフにご相談ください。
正社員登用を実現した多くの実績から培ったノウハウのもと、万全なフォロー体制を整えております。