派遣の基礎知識

派遣会社に「登録だけ」はできる?メリットと注意点を解説

「子育てが落ち着いてから働きたい」「求職活動のために情報収集したい」といった理由で、派遣会社への登録だけを検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

その際、「今すぐ働くわけじゃないのに登録してもいいの?」と不安に感じることもあるかもしれません。

本記事では、こうした疑問にお答えしながら、自分らしい働き方を見つけるヒントをお届けします。

目次

派遣会社に「登録だけ」するのは問題ない?

“派遣会社に登録する=すぐに働く”というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、実は登録だけでもまったく問題ありません。

「今すぐ働く予定はないけど、どんな仕事があるのか見てみたい」「いずれ働きたいから、そのときのために登録しておく」といった理由で登録する方も多くいらっしゃいます。
登録だけだからといって、担当者から不快な反応を示されることもありませんのでご安心ください。

派遣会社に登録だけでもしておくメリット

では、派遣会社に登録しておくことに、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここからは、以下の4つのメリットを一つずつ解説していきます。

【派遣会社に登録だけでもしておくメリット】

  • メリット①多くの求人情報を見ることができる
  • メリット②非公開の求人を紹介してもらえる可能性がある
  • メリット③キャリアコンサルタントに相談しながら求職活動を進められる
  • メリット④研修制度が利用できる場合がある

メリット①多くの求人情報を見ることができる

派遣会社に登録すれば、一度に多くの求人情報をチェックできるようになります。

登録者向けに紹介される求人情報のなかには、募集の締め切りが近い案件など、Webサイトでは見つけにくいものも含まれています。
派遣会社に登録し、さまざまな求人情報を一括して閲覧できれば、自分に合った業務をじっくりと比較・検討できるというわけです。

メリット②非公開の求人を紹介してもらえる可能性がある

派遣会社に登録すると、一般には公開されない“非公開求人”を紹介してもらえることもあります。

非公開の理由はさまざまですが、たとえば競合に知られたくない新規プロジェクトの採用や、応募が殺到しやすい人気職種の募集を行うケースが存在します。
また、派遣先によっては「なるべく早く勤務できる人に絞って紹介してほしい」「条件に合う人材にのみ案内してほしい」といった要望を派遣会社に伝えていることもあるでしょう。

このような事情から非公開求人は登録者限定で案内されているため、登録さえしておけば、こうした希少な仕事に巡り合えるチャンスが生まれるのです。

メリット③キャリアコンサルタントに相談しながら求職活動を進められる

派遣会社に登録すると、担当のキャリアコンサルタントにサポートしてもらいながら、求職活動を進められます。

これまでの経験やスキルを丁寧にヒアリングしてもらえるため、自分では気づいていなかった強みや、活かせるスキルが見つかるきっかけになるでしょう。
また、面談では希望する職種だけでなく、今後の働き方やライフスタイルに関する相談も可能です。

仕事の選び方や条件に合った働き方についてプロのアドバイスを受けられるのは、派遣会社に登録する大きなメリットの一つです。

メリット④研修制度が利用できる場合がある

派遣会社のなかには、登録者向けに無料の研修やセミナーを用意しているところもあります。

具体的には、ExcelやPowerPointの基本操作を学べるパソコン講座や、電話対応・名刺交換などのビジネスマナー研修といった内容です。
さらに、提携スクールの受講料が割引になる制度や、資格取得費用をサポートしてくれる制度を設けている会社もあります。

「派遣で働く前にスキルアップしておきたい」「自信を持って仕事に臨みたい」という方は、こうした研修制度が整っている派遣会社に登録しておくとよいでしょう。

派遣会社に登録だけする場合の注意点

派遣会社に登録することで、さまざまなメリットが得られますが、押さえておきたい注意点もいくつか存在します。
登録を行う前に、以下の点もきちんと理解しておきましょう。

【派遣会社に登録だけする場合の注意点】

  • 注意点①すぐに就業できるとは限らない
  • 注意点②派遣会社からの連絡が多過ぎると感じる場合がある
  • 注意点③登録情報が古いと紹介してもらう仕事にミスマッチが発生する
  • 注意点④登録だけでは失業保険受給の要件として認められない

注意点①すぐに就業できるとは限らない

派遣会社への登録を済ませても、すぐに仕事が見つかるとは限りません。
求人によっては、求人情報に記載できない条件や、企業の戦略的に記載されない条件があり、自分のスキルや経験では採用が叶わないこともあります。

とはいえ、未経験から挑戦できる仕事や、スキルアップしながら働ける求人情報も多く存在するので、気になる仕事があれば担当者に積極的に相談するとよいでしょう。

注意点②派遣会社からの連絡が多過ぎると感じる場合がある

派遣会社に登録すると、希望条件に合った求人情報が電話やメールで届くようになります。
こうした連絡は「早めに仕事を紹介したい」という派遣会社側の配慮から行われますが、就業の意志や希望時期にズレがあると、煩わしく思うことがあるかもしれません。

電話での連絡が多過ぎると感じた場合は、担当者に連絡方法や頻度について相談すれば、柔軟に対応してもらえるはずです。
またメールについては、登録サイトのマイページから配信頻度を設定・調整できることが多いので、必要に応じて対処してみてください。

注意点③登録情報が古いと紹介してもらう仕事にミスマッチが発生する

希望条件やスキル、職歴に変化があっても、それを派遣会社に知らせなければ、旧情報に基づいた仕事が紹介されてしまいます。
連絡先や勤務開始可能な時期の情報が古いままだと、せっかくのチャンスを逃してしまうかもしれません。

こうした事態を避けるために、就業の予定がしばらくない場合でも、登録内容は常に最新の状態に更新しておきましょう。

注意点④登録だけでは失業保険受給の要件として認められない

派遣会社に登録しただけでは、失業保険を受給するための要件として認められません。

失業保険を受け取るには、“求職活動を行った実績”をハローワークへ決められた回数報告する必要があります。
派遣会社への登録のみでは求職活動の実績としてカウントされないため、実際にハローワークに出向いて、その旨を報告することが重要です。

派遣会社に登録だけする際の押さえたいポイント

ここからは、派遣会社に登録する際のポイントを解説します。
自分に合った仕事をスムーズに見つけられるよう、以下の内容を把握しておきましょう。

【派遣会社に登録だけする際の押さえたいポイント】

  • ポイント①求職活動の状況や希望を伝える
  • ポイント②登録情報は定期的に更新する
  • ポイント③自分に合った派遣会社を選ぶ
  • ポイント④ほかの派遣会社で仕事が決まった場合は担当者に伝える

ポイント①求職活動の状況や希望を伝える

登録時には、求職活動の状況や希望している働き方を、できるだけ具体的に派遣会社に伝えることが大切です。

たとえば、「まずは情報収集をしたい」「〇月以降の勤務を希望している」といった個別情報を共有しておくことで、派遣会社側も希望に応じた対応が取りやすくなります。
不必要な連絡を減らせるだけでなく、希望するタイミングに合った仕事を紹介してもらえる可能性も高まります。

ポイント②登録情報は定期的に更新する

繰り返しになりますが、働き始めたい時期が変わった場合や、新たにスキルを身につけた場合は、早めに登録情報を更新しましょう。

登録時に入力した希望条件やスキル、職歴などは時間の経過とともに変化していくものです。
情報が古いままになっていると、実際の希望とは異なる求人が紹介されてしまう可能性があります。
ミスマッチを防ぐためにも、登録情報をこまめに更新することは重要なポイントの一つに挙げられます。

ポイント③自分に合った派遣会社を選ぶ

派遣会社に登録する際は、その会社が自分の希望やスキルに合っているのかを確認することも欠かせません。

各派遣会社には、得意とする職種や業種があります。
たとえば、事務職に強い会社やIT分野に特化した会社、もしくはサポート体制が充実している会社などがあり、その特色はさまざまです。

自分の目指す働き方にマッチするところを選べば、満足度の高いサポートを受けやすくなるでしょう。
なお派遣会社を選ぶ際のポイントについては、このあと詳しく解説します。

ポイント④ほかの派遣会社で仕事が決まった場合は担当者に伝える

別の派遣会社で仕事が決まったとき、「今の登録はそのままでいいの?」と不安に思う方もいらっしゃるでしょう。

この場合、登録情報はそのままでも差し支えありませんが、仕事が決まった旨を登録中の派遣会社にも知らせておくことをおすすめします。
というのも、連絡を入れないままだと、他社で働き始めたことを知らない派遣会社から、引き続き求人情報の連絡が届いてしまう可能性があるためです。

登録を継続するのが気になる場合は、登録の解除ももちろん可能です。
基本的には電話やメールで手続きできますが、派遣会社によっては書類の提出が必要なケースもあるため、事前にご確認ください。

複数の派遣会社に登録できる?

複数の派遣会社に登録しても問題ありません。
むしろ、登録しておいたほうがよいといえます。

なぜなら一社だけですべての求人情報を網羅しているわけではなく、派遣会社ごとに得意とする業種や対応エリアに違いがあるからです。
複数の派遣会社に登録することで、選べる求人の幅が広がり、自分に合った仕事に出会える確率が高まります。

また、派遣会社によって担当者の対応やサポート体制に差があるため、自分にとって信頼できる会社を見極める意味でも、複数社に登録する価値は大いにあります。

“どの求人に応募するか”だけでなく、“どの派遣会社と一緒に仕事を探すか”という視点で派遣会社を選んでみてください。
派遣会社の比較を通じて、もっとも安心して働ける環境を見つけましょう。

自分に合った派遣会社を探すポイント

自分にぴったりの派遣会社を見つけることは、快適に働くための第一歩です。
ここでは、そうした自分と相性の良い派遣会社を見つけるポイントを解説します。

【自分に合った派遣会社を探すポイント】

  • ポイント①希望する働き方を明確にしておく
  • ポイント②自分が求める求人があるか確認する
  • ポイント③信頼できる会社かどうかを確認する

ポイント①希望する働き方を明確にしておく

自分に合った派遣会社を見つけるには、まずは希望する働き方を明確にする必要があります。
派遣社員の働き方は、主に登録型派遣・常用型派遣、紹介予定派遣の3種類に分けられます。

【派遣社員の種類】

雇用形態概要
登録型派遣● 派遣先で就業している期間のみ、派遣会社との雇用契約が発生する
● 働く期間やタイミングを調整しやすいため、自分のライフスタイルに合わせられる
常用型派遣● 派遣会社と直接雇用契約を結んだうえで、仕事を紹介してもらえる
● 雇用期間に定めがなく、仕事が決まるまでの待機期間中も給料の一部が支給される
紹介予定派遣● 一定期間派遣社員として勤務し、その後、派遣先と直接雇用契約を結ぶことを前提とした働き方
● 派遣期間中に業務内容を理解したうえで入社を決められるため、ミスマッチが少ない

このように、派遣社員では雇用形態によって働き方の自由度や安定性などが異なるのが特徴です。

自分の希望やキャリアプランに合ったスタイルを把握しておくことで、それに見合った派遣の形態を選びやすくなります。

ポイント②自分が求める求人があるか確認する

派遣会社を選ぶ際は、Webサイトに掲載されている求人情報をチェックし、自分の希望にマッチする案件がどのくらいあるのかも確認しましょう。
多くの派遣会社では、求人情報が定期的に更新されており、職種・業種・勤務地などの条件で絞り込んで簡単に検索できるようになっています。

派遣会社ごとに取り扱っている職種や強みとする分野が異なるため、自分の経験や働きたい分野に合っているかどうかを基準に選ぶとよいかもしれません。

ポイント③信頼できる会社かどうかを確認する

信頼できる派遣会社かどうかを見極めることも、会社選びの大切なポイントです。

見極める際は、電話やメールで問い合わせをしたときの対応をチェックしてみてください。
返答のスピードや言葉遣い、説明の丁寧さなどから、その会社の対応力やサポート体制の質がある程度うかがえるはずです。

また、口コミサイトやレビュー投稿を確認するのも有効な手段です。
実際に登録した人の感想や体験談を読めば、担当者の対応や就業後のフォローなど、公式サイトではわかりにくい実情を知ることができます。

これらの情報を参考にしながら、安心して相談できる派遣会社を選びましょう。

派遣会社に「登録だけ」することはできる!自分に合う仕事を見つけよう

今すぐに働く予定がなくても、派遣会社に登録しておくことは問題ありません。
むしろ、求人情報の収集や将来に備えた準備として有効な選択肢といえます。

登録の際には、自分の希望をしっかりと整理し、信頼できる派遣会社を慎重に選ぶことが重要です。
理想とする働き方を実現するために、今のうちから少しずつ動き出してみましょう。

「どの派遣会社を選べばいいのかわからない……」という方は、ぜひホットスタッフにご相談ください。
求職者一人ひとりが安心して働けるように、専任の担当者がマンツーマンで仕事探しをサポートいたします。

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