
派遣社員として働くうえでは、職場での人間関係を良好に保つことが大切です。
しかし、なかには雇用形態に起因する人間関係の悩みを抱えている方もいらっしゃるでしょう。
そこで本記事では、派遣社員が抱えやすい人間関係の悩みを、良好な関係を構築するためのポイントとともにお伝えします。
派遣先の人間関係にお悩みの方や、悩みを解消して気持ちよく働きたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
派遣社員が直面する人間関係の悩みとは?

派遣社員は、正社員と比較して業務内容が限定的で、責任の範囲が狭いことから、弱い立場に立たされてしまうことがあります。
派遣先での人間関係の悩みやトラブルは、これらが原因となって起こることが多いといわれています。
以下で、派遣社員が抱えやすい悩みを見ていきましょう。
派遣先の上司や同僚と相性が合わない
派遣社員が抱える悩みのなかで、もっとも多いといわれているのが、上司や同僚との人間関係における相性です。
性格や考え方などの相性が悪いと、業務に対して不満を抱えやすくなるうえに、質問や相談といった必要な会話ですら、おっくうに感じてしまいます。
しかし、相性の悪さ自体が業務に直接的な被害をもたらすわけではないため、これを我慢しつづけた結果、悩みが深刻化してしまうのです。
仕事を教えてもらえない・サポートが少ない
教育やサポートの不足が原因で業務に不備が生じてしまい、立場が悪くなったことで悩みを抱える方もいます。
特に人材不足が顕著な派遣先では、教育体制が整っていないこともあり、手順を十分に理解していない状態でも業務を進めなければならないケースがあります。
この場合、疑問を解消するために質問しても回答を先送りにされ、ミスが生じた際は責められるといった悪循環に陥ってしまい、悩みにつながるのです。
ハラスメントや嫌がらせ
優越的な地位を利用したハラスメントも、派遣社員が抱える悩みの一つです。
先述したように、派遣社員の業務内容は正社員よりも限定的であることから、立場が弱くみられる傾向にあります。
派遣社員に対するパワハラやセクハラは、このような弱みに付け込まれることで起こるのです。
職場におけるハラスメントの法整備自体は進んだものの、残念ながらその実態には大きな変化が見られていないのが現状です。
契約外の業務を依頼される
派遣社員のなかには、契約外の仕事を押しつけられてしまうことで悩んでいる方も少なくありません。
派遣社員は、契約時の業務内容に明記されていない業務を断ることができます。
しかし、仕事を断りづらい派遣社員の立場を利用して、掃除やお茶くみ、電話対応を強要するといった、規定にない仕事を押し付けられることがまれにあります。
周囲の目線が気になり、やらざるを得ないことが多いため、ご自身での解決が難しい悩みの一つです。
派遣先で良好な人間関係を築くために心がけたいこと

派遣先で起こりうるさまざまな人間関係の悩みは、日々の心がけにより防止もしくは解消できる可能性があります。
ここからは、派遣先で良好な人間関係を構築するための心構えについて解説します。
意欲的な姿勢で仕事に取り組む
仕事への意欲的な姿勢を示すことは、派遣先で良好な人間関係を構築するうえで重要なポイントです。
与えられた業務をこなすことも大切ではあるものの、受け身な姿勢を取りつづけてしまうと、「やる気がない」という印象を持たれる可能性があります。
勤務中は、積極的な質問やフィードバックを求めるといった意欲的な姿勢を見せることで、派遣先での信頼を得られるとともに、ご自身の成長にもつながります。
派遣先の規定を守る
良好な人間関係を築くためには、派遣先の規定や業務における特有のルールを守ることも必要です。
すでに経験したことのある業種の派遣先でも、業務フローがまったく異なる場合もあります。
たとえご自身に経験があったとしても、身勝手に業務を進めれば、周囲から話を聞けない人と捉えられ、信頼を損ねる原因となってしまいます。
良好な関係を構築するためには、まず派遣先の規定や業務の流れを細かく確認することが大切です。
派遣先の雰囲気に合わせる
雰囲気を読み取り、周囲の人間に対する配慮を忘れないことも、派遣先で良好な人間関係を築くための重要なポイントです。
派遣先によっては、明文化されていない暗黙のルールやマナーが存在する場合があります。
具体的には、「アクセサリーをつけてはいけない」「プライベートに深く関わる会話をしてはいけない」などが挙げられます。
ご自身が気づかぬうちに暗黙のルールを破ったことで、派遣先の人間関係に溝ができてしまうケースもあるのです。
このような事態を避けるためには、周囲をよく観察し、暗黙のルールやマナーを把握することが必要となります。
不安な場合は、その都度上司や同僚に相談してみましょう。
派遣先の人間関係を円滑にするコミュニケーションのポイント
派遣先で良好な人間関係を構築するためには、仕事に対する意欲的な姿勢を見せ、職場の雰囲気を読み取ることのほか、意識したいコミュニケーションのポイントもあります。
以下で紹介するポイントを押さえれば、派遣先での人間関係をより円滑なものにできるはずです。
明るくあいさつする
派遣先で良好な人間関係を築くうえで欠かせないのが、明るいあいさつです。
あいさつは、立場や場所を問わずコミュニケーションの基本となるため、とても大切な習慣です。
特に派遣社員として働く初日のあいさつは、その後の印象を大きく左右します。
そのため、派遣先であいさつをする際は広角を上げ、普段よりもワントーン上げた声を意識しましょう。
明るい表情と聞き取りやすい声のあいさつは、周囲に好印象を与え、信頼できる人物として認識してもらえます。
ビジネスマナーを守る
派遣先でコミュニケーションを円滑に図るためには、ビジネスマナーの順守も重要となります。
ビジネスマナーは、適切な言葉遣いや身だしなみをはじめ、上座・下座、メールを送信する際のCC・BCCの使い分けなど多岐にわたります。
正社員と比べ業務内容が限定的な派遣社員であっても、ビジネスマナーを守れているかどうかで仕事に対する意識の高さが表れるのです。
これらを一つひとつ徹底することは、社内で信頼を獲得するのに必要不可欠です。
報連相を徹底する
上司やチームとの円滑なコミュニケーションを図るためには、業務上の報告・連絡・相談を徹底することが大切です。
報連相は、派遣社員として働く際にも欠かせない重要なポイントです。
進捗や問題点などの情報を周囲に共有するため、これに対する意識が薄いと、のちの業務に支障が生じるばかりか、社内の信用を損ねる可能性もあります。
報連相の徹底は、業務を円滑に進めるだけではなく、トラブルを未然に防ぐことにもつながるため、自主的の行うことが望ましいです。
アドバイスを聞き入れる
業務に関するアドバイスや指導を受けた際は、素直に聞き入れることを意識しましょう。
派遣社員として過去に経験した業務に携わる場合も、新しい派遣先では新人として扱われます。
教えられた業務を進める際に、ご自身のやり方を優先するといった行動は、周囲に身勝手な印象を与えてしまいます。
納得できない点がある場合、まずはアドバイスを聞き入れたうえで、質問を投げかけてみてください。
悪口を言わない
悪口や噂話をしないように注意することで、人間関係の無用なトラブル避けられます。
価値観や性格は人によって異なるため、相性が合わず、つい周囲に愚痴をこぼしたくなるかもしれません。
しかし、このような話はご自身の知らないところで広まるものなので、特定の人とのあいだに溝ができる可能性があります。
1人では解決しにくい業務上の悩みは、愚痴として誰かに話すのではなく、上司や派遣会社の担当者に相談して解決を試みましょう。
自分の意見をうまく伝える
ご自身の考えや提案をしっかり伝えることも、周囲から信頼されるために必要なポイントといえます。
業務に関する意見を求められた際、派遣社員という立場では発言するのが難しいと感じることもあるでしょう。
しかし裏を返せば、さまざまな意見が必要とされている状況でもあるのです。
そのため、ご自身の意見や考えをうまく伝えられれば、業務上の悩みを理解してもらえるだけではなく、信頼を勝ち取るチャンスにもなります。
派遣先の人間関係でトラブルが発生した場合の対処法
良好な人間関係を構築するための行動を心がけていても、ときにはトラブルが発生してしまうケースがあるのも事実です。
深刻なトラブルに発展する前に、早めに対処しましょう。
ここからは、派遣先の人間関係でトラブルが生じた際の対処法をご紹介します。
捉え方・考え方を変えてみる
派遣先に苦手な人や嫌いな人がいる場合、その人に対するご自身の捉え方や考え方を変えてみるのがおすすめです。
心無い言葉を使う人を“余裕のない人”と捉えられれば、嫌なことを受け流す余裕が生まれます。
また、相性が合わず苦手と感じている人に対しては、短所ではなく長所を見つけるように努めることで、円滑なコミュニケーションのきっかけを掴めるはずです。
相性の悪さが業務に影響していないのであれば、ご自身の努力次第でむしろ良い環境をつくることができます。
派遣先の上司に相談する
人間関係のトラブルによって業務に支障が出た場合、まずは派遣先の上司に相談してみてください。
トラブルの解決に向けた助言や、原因となっている人との業務を避けられるように配慮してもらえるかもしれません。
一方で、人間関係のトラブルの原因がご自身にもある場合、改善に向けて指摘されるケースもあります。
そのため、派遣先の上司に相談する際は、トラブルの原因をきちんと把握し、場合によってはご自身も改善に努めなければならないことを念頭に置きましょう。
派遣会社の担当者に相談する
ハラスメントや嫌がらせ、契約外の業務を課されるなどのトラブルは、派遣会社の担当者に相談することで対応してもらえます。
上司がトラブルの原因となっている場合、ご自身の立場上、「派遣先の社内で相談するのは難しい……」と感じてしまうこともあるでしょう。
このような場合は、派遣会社の担当者に相談することで、派遣先に改善を促す、またはほかの派遣先を紹介するなどの対策を講じてくれます。
派遣会社は、派遣社員が派遣先でどのよう扱いを受けているのかといった細かい事情を、常に把握できているわけではありません。
そのため、派遣先での悩みや不安、解決が難しい問題が生じた際は、早期に相談して対応を求めてください。
労働基準監督署・労働局に相談する
ご自身が抱えている派遣先での悩みやトラブルに対し、派遣先および派遣会社の対応が追い付かない場合は、労働基準監督署や労働局に相談してみましょう。
労働基準監督署の“総合労働相談コーナー”では、賃金や雇用契約をはじめとするトラブルの相談を受け付けています。
派遣会社で取り合ってもらえなかった相談内容にも、ご自身への助言や指導、派遣先に対して問題解決を促す“あっせん”などで対応してもらえます。
また労働局では、労働基準監督署が受け付けている相談内容にくわえて、ハラスメントやいじめに関する相談も可能です。
派遣先・派遣会社を変更する
人間関係のトラブルが一向に解決しない場合は、派遣会社に相談して、派遣先を変更してもらうことも解決策の一つです。
契約期間が満了に近づいている場合、仮に派遣先が延長を希望していても、派遣先を変更することで、人間関係のトラブルや悩みから解放されます。
なお、派遣会社に対して不信感や不安がある場合は、派遣会社を変えるのも有効な方法です。
派遣社員として希望に沿った働き方を実現するためには、派遣会社のサポートも欠かせません。
しかし、派遣先でのトラブルに対して、なんの対策も講じてくれない派遣会社は、今後も頼れない可能性が高いため、別の派遣会社を探すのがおすすめです。
関連記事:派遣会社の選び方を解説!自分に合った派遣会社や雇用形態とは
人間関係を理由に派遣先を退職することは可能?
契約期間中の退職が難しい派遣契約でも、トラブルの内容や深刻度によっては退職できるケースがあります。
具体的には、派遣先のハラスメントにより身体的および精神的苦痛を受けた場合や、派遣先が問題の改善に動かなかった場合などの例が挙げられます。
しかし、「苦手な人がいる」「口の悪い人がいる」といった直接的な被害がない場合は、中途退職が認められず、契約期間の満了を待たなければなりません。
また、退職の強行は、派遣会社からの信用を失い、ほかの派遣先を紹介してもらえなくなるというリスクを伴います。
派遣社員は、契約期間中の退職が可能ではあるものの、上記のリスクを考慮すると慎重な判断が必要です。
派遣先で良好な人間関係を築くためには、仕事に対する姿勢と日々の心がけが大切
今回は、派遣先でよくある人間関係の悩みを、その対処法とともに解説しました。
派遣社員は、業務内容が正社員よりも限定的であることから、立場が弱くみられる傾向があり、人間関係の悩みを抱える方が少なくありません。
仕事に対して意欲的な姿勢を示すとともに、円滑なコミュニケーションを心がけることが、悩みを解消する糸口となります。
万が一、派遣先の人間関係でトラブルが生じた場合は、派遣会社や労働基準監督署へ、早めに相談しましょう。
充実したサポート体制のある派遣会社をお探しの方は、ぜひホットスタッフをご利用ください。
専任の担当者が、希望に沿った派遣先を紹介するとともに、お仕事のお悩みにも寄り添って対応いたします。