派遣の仕事術

派遣社員でもキャリアアップできる?スキルを磨く方法を解説

正社員には多くの場合、昇進や昇給を目指せる機会が定期的に設けられています。

しかし派遣社員は、こうしたチャンスが正社員と比べて少ないのが実情です。

では、派遣社員として働く方は、どのようにしてキャリアアップを目指せばよいのでしょうか。

本記事では「派遣社員として働きながら成長していきたい」という方に向けて、その方法を詳しく解説します。

ご自身が理想とする働き方を実現できるように、ぜひ最後までご覧ください。

派遣社員がキャリアアップする方法

それではさっそく、派遣社員がキャリアアップする方法を見ていきましょう。

今後ご自身がどのように成長していきたいのか、イメージしながらご参照ください。

方法①現職で結果を残す

派遣社員がキャリアアップする方法としてまず挙げられるのは、現在任されている業務で結果を残す、ということです。

ただしキャリアを上げるためには、ただ与えられた仕事をこなすだけでなく、主体的に業務に取り組み、ご自身の成長につながる目標を設定することが重要です。

たとえば「1時間かかっている書類作成を30分で終わらせる」という目標を立て、これを達成するためにWordやExcelなどのOAスキルを上げるのも一つの方法です。

このように能動的に業務に携わり、継続的に結果を残していけば、おのずと職場内で高い評価を得られるでしょう。

優れた評価は派遣先企業から派遣会社にも共有されるため、新たなポジションを任されるきっかけも生まれます。

方法②派遣会社のキャリア形成支援制度を活用する

派遣会社の“キャリア形成支援制度”を活用するのも、派遣社員がキャリアアップする方法として挙げられます。

キャリア形成支援制度とは2015年の労働者派遣法の改正で設けられた、派遣社員一人ひとりが、定めた目標や描いているビジョンを達成できるように支援する制度です。

この制度に基づき、派遣会社には、キャリアアップを希望する派遣社員に対して教育訓練を実施するよう義務づけられました。

こうした法律の改正によって派遣社員は、派遣会社に相談することでキャリアアップに必要なセミナーや研修を受けられるようになっています。

働きながら効率的にキャリアアップを目指せるキャリア形成支援制度を、派遣社員もうまく活用したいものです。

参照元:厚生労働省「派遣労働者のキャリア形成支援のためにp3」

方法③資格を取得する

派遣社員がキャリアアップを目指すうえで、資格の取得は非常に有効な手段です。

それは、資格を取得することで知識やスキルを客観的に証明することが可能で、より高度な仕事に挑戦できるチャンスが増えるためです。

以下では、スキルアップを目指す派遣社員におすすめの7つの資格を紹介します。

MOS

MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)とは、Word・Excel・PowerPointといったMicrosoft Office製品の、知識や操作スキルを評価する資格試験です。

試験はパソコンを用いた実技形式で実施されるため、MOSを取得すれば、実務で役立つ操作スキルを備えていることの証明となります。

Microsoft Office製品のなかでも、仕事や勉学において特に使用頻度の高いWordとExcelは、一般レベルと上級レベルの2つに分けられています。

仕事で必要なWordとExcelのスキルは一般レベルに相当するので、挑戦したい方は、まず一般レベルの取得を目指すとよいでしょう。

TOEIC

TOEIC(Test of English for International Communication)とは、英語を母語としない人を対象に、実践的な英語力を測定する世界共通のテストです。

英語力の証明として世界中の企業や大学などで広く利用されているため、高得点を取ればキャリアアップはもちろん、就職・転職活動時にも有利にはたらきます。

特に、英文事務や外資系企業の受付といった派遣の仕事をお探しの方は、TOEICを受験する価値があるといえるでしょう。

高得点を獲得することで、国内外を問わず活躍のチャンスを広げながら、ご自身のスキルを磨けます。

日商簿記検定試験

企業の経営活動を記録・計算・整理して、経営成績と財政状態を明確にする技能の習得度を測るのが日商簿記検定試験です。

正式名称は“日本商工会議所及び各地商工会議所主催簿記検定試験”ですが、本記事では、略称である日商簿記検定試験と表記します。

日商簿記検定試験の資格は、経理や財務、一般事務などの分野でニーズが高く、社員に取得を奨励している企業もあるほどです。

また、経理や財務などの分野にとどまらず、営業職や管理職といった幅広い業務でも活用できる点が、この資格の魅力といえます。

同試験は、1級・2級・3級・簿記初級の4つのレベルに分けられていますが、実務で活かすには2級以上を取得するのが理想です。

2級以上を取得していれば、難易度の高い経理の業務を任されやすくなり、職場内での信頼や評価が上がることが見込めます。

宅地建物取引士

宅地建物取引士とは、不動産の取引に必要な知識と資格を持ち、安全かつ公正な取引が行われるようにサポートする国家資格者です。

毎年約20万人が受験する人気の高い資格ですが、難易度は比較的高く、容易には合格できない難関試験として知られています。

そのため不動産業界以外でも、資格手当を出している企業もあるなど、取得する価値の高い資格です。

派遣社員が宅地建物取引士の資格を取得すれば、正社員登用に有利にはたらくほか、給料アップも期待できます

不動産業界でキャリアアップを図りたい方も、これから新しい知識を習得したい方も、業務の幅を広げるために宅地建物取引士を目指してみてはいかがでしょうか。

ITパスポート試験

ITパスポート試験は、国家試験である情報処理技術者試験の一種で、ITに関する基礎知識の習得度を測るものです。

近年では、さまざまな分野でIT化が進んでおり、エンジニアに限らず広範な職種の人にITに関する正確な知識の習得が求められています。

そのためITパスポート試験の資格を取得しておくことは、就職・転職活動時をはじめ、業務の効率化を図りたいときなど、多様な場面において有益であるといえるでしょう。

またITパスポート試験の合格を足がかりに、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験など、専門性の高い資格の取得を目指すことで、さらなるキャリアアップが期待できます。

ファイナンシャル・プランニング技能士

日本FP協会が実施する国家検定、“ファイナンシャル・プランニング技能検定”の合格者が名乗ることができるのが、ファイナンシャル・プランニング技能士です。

ファイナンシャル・プランニング技能検定とは、顧客の資産状況に応じて貯蓄や投資などのプランを立てたり、相談に応じたりするために必要なスキルのレベルを測る検定です。

同検定の受験勉強を通じて、税金や保険、年金に関する内容や、ライフプランを立てるためのお金に関する詳しい知識を深めることができます。

ファイナンシャル・プランニング技能士は、顧客一人ひとりの将来設計に合わせ、適切なアドバイスをする“お金の専門家”です。

金融系の資格であるため、保険会社や銀行などにニーズが多く、「事務の仕事でキャリアを積んでから、保険会社や銀行で働きたい」とお考えの方におすすめの資格です。

社会保険労務士

社会保険労務士は、人事・労務管理に関する課題を見つけ出し、経営の効率化を図るために企業へアドバイスを行う国家資格者です。

具体的には、労働環境の整備や人事・労務管理に関するアドバイスができるようになります。

社会保険労務士は、受験勉強を通じて、労働法や社会保険に関する知識を習得できるほか、ビジネス全体を広い視野で捉える力も養われるため、非常に実用性の高い資格です。

もし派遣社員として、社会保険労務士事務所で就労する機会を得たなら、働きながら資格を取得し、人事や労務の正社員を目指すというのも挑戦しがいがあるかもしれません。

派遣社員としてキャリアアップするメリット

ここまで、派遣社員がキャリアアップする方法をお伝えしてきましたが、では、正社員ではなく派遣社員としてキャリアアップを果たすと、どのような利点があるのでしょうか。

以下では、派遣という働き方でキャリアを築く4つのメリットを解説します。

メリット①自分のペースでキャリアアップを目指せる

派遣社員としてキャリアアップするメリットに、ご自身に合ったスピードでキャリアを築けるという点があります。

派遣社員は、ご自身のライフスタイルに合わせて、勤務時間や勤務日数などをある程度柔軟に決めることができます

そのため「仕事以外の時間は勉強や趣味に充てたい」という方でも、無理のないペースでキャリアの向上を目指せるのです。

メリット②さまざまな業種・職種の経験を積める

多様な業種・職種の経験を積めることも、派遣社員としてキャリアアップするメリットの一つです。

派遣社員の求人には、さまざまな業種・職種の仕事があります。

そのため、ご自身の興味のある分野でキャリアを積むことが可能で、かつ幅広い知識やスキルも身につけられるでしょう。

さまざまな業種・職種の仕事を経験したうえで、ご自身に合ったものが見つかれば、その分野でのさらなるキャリアアップも図れます。

メリット③未経験から始められる

派遣社員として働く仕事には、未経験者でも応募可能なものが多くあります。

「キャリアプランを具体的にイメージできない」という方や「スキルの幅を広げたい」という方など、さまざまな人に挑戦の機会があるということです。

経験がなくとも、実務を通じて知識やスキルを身につけられる派遣社員は、興味のある業種・職種で着実に経験を積んでいくことができます。

メリット④派遣会社のサポートを受けられる

派遣会社のサポートを受けられる点も、派遣社員としてキャリアアップするメリットです。

派遣社員として働く場合は、派遣会社の担当者が就業中も継続的にフォローしてくれます。

業務の相談はもちろん、ご自身が持つスキルの客観的な評価や、キャリアプランの助言も得られるので、今後のキャリアアップを考えるうえでは心強い存在になるはずです。

また、すでに記事内で紹介した“キャリア形成支援制度”についても、受けたい場合は担当者に相談してみるとよいでしょう。

派遣社員としてキャリアアップする際の注意点

派遣社員としてキャリアアップするメリットはさまざまありますが、それと同時に、気をつけておきたい点もいくつか存在します。

以下では、派遣社員がキャリアアップを目指す際の注意点を解説します。

注意点①契約期間が限られている

派遣社員は、原則として、同じ派遣先企業で働けるのは最長3年までと定められています。

したがって、「同じ職場で長く働きながら専門性を高めたい」と考えている方は、派遣社員としての働き方を一考してみる必要があります。

派遣という働き方に魅力を感じていても、この契約期間の制限に不安を感じている場合、“常用型派遣”を検討してみてもよいでしょう。

常用型派遣は、派遣会社に正社員として雇用されながら、派遣先企業で勤務するという働き方で、契約期間に制限がないのが特徴です。

派遣社員として一つの企業で長期的に働くことを希望し、かつキャリアアップも望む方にとって、有力な選択肢といえます。

注意点②業務範囲が絞られている

派遣社員は、契約によってあらかじめ業務内容や範囲が定められており、契約外の業務は基本的に行うことができない点も覚えておきたいところです。

そのため、契約時よりも難易度の高い業務に携わる機会は少なく、責任のある業務を任されにくいことに物足りなさを感じる方もいるかもしれません。

しかし、キャリアアップをまったく見込めないわけではなく、派遣先企業での働きぶりが高く評価されると、直接雇用へとつながる可能性はあります。

派遣社員からキャリアアップを目指す方は、まずは任された業務を能動的に、そして責任を持って遂行することが大切です。

注意点③給料が上がりにくい

正社員と比べて派遣社員は、勤務年数を重ねても給料が上がりにくい傾向にあります。

そのため、特に将来的な収入に不安を感じる方も少なくありません。

しかし、携わっている業務の知識やスキルを着実に積み重ねていけば、より高い給料を得られる仕事に転職できるチャンスは十分にあります。

キャリアアップを目指せる派遣会社の特徴

ここまでご覧いただき、本格的に「派遣社員として働きながらキャリアアップを目指したい!」とお考えになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

以下では、そのような方にこそおすすめしたい派遣会社の特徴をお伝えします。

特徴①キャリアアップに向けたサポートが充実している

キャリアアップに向けたサポートが充実している派遣会社であれば、安心してキャリアを築いていけるといえます。

派遣会社のなかには、派遣社員のキャリアアップを支援するために、セミナーや研修などを実施しているところが多くあります。

こうしたキャリア形成支援制度が充実している派遣会社を選べば、未経験の分野にもチャレンジしやすくなり、ご自身の可能性を広げることができるでしょう。

なお、セミナーや研修を無料で開放しているかどうかは派遣会社によって異なるため、制度の内容とあわせて事前に確認しておくことをおすすめします。

特徴②紹介予定派遣の案件を扱っている

「将来的に正社員を目指したい」とお考えの方は、“紹介予定派遣”の求人を取り扱っている派遣会社を選ぶのがおすすめです。

紹介予定派遣とは、一定期間派遣社員として働いたあとに、派遣先企業と派遣社員本人が合意すれば、正社員として登用される派遣形態のことです。

この形態であれば、実際の業務内容や職場の雰囲気を事前に知ったうえで働きつづけるかどうかを判断できるため、ミスマッチの心配もなくキャリアアップを目指せます。

特徴③親身に相談に乗ってくれる

親身に相談に乗ってくれる担当者が在籍していることも、不安なくキャリアアップを目指せる派遣会社の特徴として挙げられます。

働き始めてからは、業務の進め方や職場での人間関係などに悩むときもあるかもしれません。

そのようなとき、派遣会社の担当者が定期的に相談に乗ってくれたり、派遣先企業には直接言いにくいことを代弁してくれたりすると、ずいぶんと気持ちが楽になるはずです

特に、派遣社員として初めて働く方や、悩みを一人で抱え込みやすい方は、こうしたサポート体制が整っている派遣会社なのかどうかを口コミなどで調べておくとよいでしょう。

派遣社員がキャリアアップするには、能動的に業務に取り組むことが大切

今回は、派遣社員がキャリアアップする方法を徹底解説しました。

派遣社員がキャリアを上げるためには、現状に満足せず、能動的に業務に取り組み、ご自身の成長につながる目標を設定することが大切です。

必要に応じて派遣会社の“キャリア形成支援制度”を活用しながら、向上心を持って業務に取り組めば、職場内での高い評価を得られ、おのずとキャリアアップに近づけるでしょう。

本記事をご覧いただき、「派遣会社を探してみよう」とお思いになった方は、ぜひホットスタッフにご相談ください。

求職者一人ひとりが安心して働けるように、専任の担当者がマンツーマンでお仕事およびキャリアアップをバックアップいたします。

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