派遣ノウハウ

派遣社員とパートどっちがいい?違いや判断のポイントを紹介

派遣社員やパートであれば、正社員よりも柔軟に働くことができます。
しかし、両者の違いがわからず、どちらを選ぶのがよいかをご自身で判断できない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで本記事では、派遣社員とパートの違いを詳しく解説したうえで、ご自身にとってどちらが向いているかを見極める際のポイントを紹介します。
「自分に合った働き方を選びたい」とお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

派遣社員とパートの違いとは

派遣社員とパートには、主に5つの違いがあるため、以下で詳しく解説します。

雇用主

派遣社員とパートの違いとしてまず挙げられるのが、雇用主です。
派遣社員は派遣会社と雇用契約を結ぶのに対して、パートは勤務先の企業と雇用契約を直接結ぶという点が異なります。

したがって派遣社員の場合は、実際に勤務する派遣先企業から、給与の支払いや契約範囲外の業務命令などを行われることはありません。

また、このような違いから、業務への評価方法にも差が生じます。
派遣社員の業務の評価は、派遣先企業のフィードバックをもとに、派遣会社が最終的な判断を下すことが基本です。

そのため、勤務先の企業が直接評価を下すパートと比較すると、派遣社員のほうが結果に反映されるまでの期間が長くなるでしょう。

求められる業務スキル

業務で要求されるスキルも、派遣社員とパートで異なる点です。
基本的に、派遣社員には専門的なスキルが求められることが多い一方で、パートに対しては簡単な作業やルーティンワークが割り当てられます。

ただし、パートに即戦力となるようなスキルを求める企業も存在します。
「パートなら高い業務スキルは求められないだろう」とすぐに判断するのではなく、勤務先の企業から詳しい話を聞いたうえで、必要な業務スキルを見極めることが大切です。

契約期間

派遣社員の契約期間は3か月単位で更新されることが多く、同じ派遣先企業の部署や課などで働けるのは、最長でも3年までというルールが法律で定められています。
そのため、3年が経過したあとも働きつづけたい場合は、無期雇用契約に切り替える手続きが必要です。

それに対してパートの場合は、勤務先の企業によって差はありますが、決まった契約期間を設けず長期間働くことができます。

勤務時間の自由度

勤務時間は派遣社員やパートを問わず自由に選択できますが、派遣社員の場合は、派遣先企業からフルタイム勤務を条件として提示されるケースが多くみられます。
その場合、休み希望を通しづらくなる可能性があるため、柔軟な働き方を望むのであれば注意が必要です。

派遣社員とパートのどちらにおいても、条件として求められる勤務時間は、勤務先の企業によって異なります。

応募の際は、ご自身が希望する働き方が可能かどうかを必ず確認しましょう。

福利厚生

派遣社員やパートといった雇用形態にかかわらず、すべての従業員は、派遣会社や勤務先の企業の福利厚生を受けられます。

雇用主に違いはあるものの、法律で定められた範囲の福利厚生については、一定の条件を満たせば両者ともに正社員と同程度の待遇を提供してもらうことが可能です。
しかし、雇用主が独自に定める福利厚生については、企業ごとに差が生じます。

福利厚生には、法律で実施が義務づけられている“法定福利厚生”と、企業が独自に設けている“法定外福利厚生”の2種類が存在します。

法定福利厚生は社会保険や労働保険などのことを指し、これらは雇用形態にかかわらず、すべての従業員が対象です。
社会保険の加入条件についても、雇用形態による違いはありません。ただし派遣社員とパートは、社会保険の加入条件に合致する働き方を前提としていないため、基本的には条件を満たした場合のみ加入手続きを行います。

一方で、法定外福利厚生の内容は企業ごとに異なります。
家賃補助や住宅手当、あるいは書籍購入費の補助など、その内容は企業によってさまざまです。
派遣会社では、派遣社員に特化した法定外福利厚生を設けることが多い傾向にあります。
対してパート先の企業の場合、正社員に提供することを前提として、法定外福利厚生を設けているケースもみられます。

したがって、正社員と同様にパートも法定外福利厚生の恩恵を受けられるかどうかは、あらかじめ確認しておくと安心です。

派遣社員とパートはどっちがいい?

派遣社員とパートには細かな違いがありますが、結局のところ、どちらを選ぶのがよいのでしょうか。
その点を判断するために、本項ではそれぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。

派遣社員のメリット・デメリット

派遣社員として働くメリットとデメリットは、以下の通りです。

派遣社員のメリット・デメリット

メリット・パートよりも給与が高い傾向がある

・スキルや経験を活かせる

・スキルアップを目指せる

・派遣会社から、派遣社員に特化した福利厚生を受けられる

・派遣会社から手厚いサポートを受けられる

デメリット・必ず契約が更新されるとは限らないため、雇用が不安定である

派遣社員は専門的なスキルを求められるケースが多いため、パートと比較すると、給与が高くなる傾向があります。
ご自身がこれまでに培ってきたスキルや経験を活かして、即戦力として働くことも可能でしょう。

また、派遣会社の福利厚生を活用することで、スキルアップも目指せます。

派遣会社の多くは、独自の講座や研修プログラムなどを用意しているため、これらを利用して業務スキルの向上や資格の取得につなげられます。

派遣社員として働く場合は、派遣会社があいだに入ってくれる点もメリットの一つです。
安心して働ける派遣先企業を探す際はもちろん、勤務を開始してからトラブルや悩み事が発生した際も、派遣会社の担当者に相談できます。

一方で、雇用を安定させることは難しいといえます。
派遣社員は契約期間が決められているうえ、その契約を必ず更新してもらえるとは限りません。
更新できたとしても、契約形態によっては同じ職場で3年までしか働けないため、雇用が不安定であることは考慮しておく必要があります。

パートのメリット・デメリット

パートを選択するメリットとデメリットは、以下をご覧ください。

パートのメリット・デメリット

メリット・未経験でも始められる求人が多い傾向がある

・契約期間が決められていないケースが多く、長く働ける可能性がある

・勤務時間の調整がしやすく、扶養内でも働ける

デメリット・任される業務の範囲が限定的である

・派遣社員や正社員よりも給与が低い傾向がある

パートは、派遣社員と比較して高い業務スキルを求められる場面が少ないため、未経験でも勤務可能な求人を見つけることが可能です。
勤務に際して契約期間を設けないケースも多く、安定した雇用を目指せます。

また、短時間の勤務を前提としているパートは、扶養内に収まるように年収を調整できることもメリットです。
フルタイム勤務を条件とされることが少なく、ご自身の希望に合った勤務時間を選びやすいといえます。

このような恩恵が受けられる反面、派遣社員と比較して、パートは任される業務の範囲が限定的であるというデメリットもあります。
前述の通り、パートは簡単な作業やルーティンワークを担当することが一般的です。
そのため、専門的なスキルが必要となる派遣社員や正社員よりも、給与水準は低くなるでしょう。

派遣社員とパートのどちらが自分に合うかを判断する際のポイント

派遣社員とパートのどちらが適しているかを見極めるには、それぞれのメリット・デメリットだけではなく、3つのポイントに着目して選ぶことも大切です。
以下で詳細を解説しますので、ご自身の雇用形態を決める際の参考にしてください。

ポイント①給与と勤務時間の自由度のバランスを考える

お伝えしたように、派遣社員とパートでは、給与と勤務時間の自由度が異なります。
そのため、両者を比較する際は、収入と柔軟な勤務時間のどちらに重点を置くかを考える必要があります。

たとえば、十分な収入を得ながら正社員を目指すのであれば、給与が高くスキルアップも見込める派遣社員を選択するのが望ましいでしょう。
給与よりも、ご自身の都合の良い時間に働けるというような働き方の自由度を重視する場合は、パートを選ぶのが適しているといえます。

ただし派遣社員の求人でも、週3日勤務や時短勤務などのように、勤務時間を柔軟に選べるケースがあります。
「高い収入と働きやすさを両立させたい」とお考えの方は、このような派遣社員の求人を探すのがおすすめです。

ポイント②スキルアップやキャリア形成を考慮する

長く働きつづける予定であれば、スキルアップやキャリア形成についても計画しておくことが肝心です。

一般的にパートよりも派遣社員のほうが、スキルを向上させるための研修やサポートを受けられる機会が多く、キャリアアップしやすい傾向があります。
そのため、専門的なスキルを身につけて昇給や昇進を目指したい場合は、派遣社員が向いています。

しかし、先述の通り派遣社員は雇用の安定性に欠けるため、長く働きつづけることを重視するのであれば、パートを選ぶのがよいでしょう。

ポイント③扶養内で働けるかどうかを確認する

主婦または主夫の方で、扶養内で働くことを検討しているのであれば、収入が扶養の基準を超えないかどうかも確認しておきたいところです。

派遣社員とパートは、どちらも扶養内で働くことを選べる雇用形態ではありますが、勤務時間を急に変更する際の自由度には差が生じます。
たとえば、パートであれば、扶養の範囲を年収が超えてしまいそうなときはシフトを自分で減らすことで回避できます。

しかし派遣社員は、事前に契約した内容に沿って勤務する必要があるため、個人の都合で勤務時間を柔軟に変えることはできません。
このような理由から、扶養内で働けるように柔軟に勤務時間を調整したい方は、パートを選ぶのがよいといえます。

なお、あらかじめ年収を計算したうえで派遣先企業を選べば、派遣社員でも扶養内で働けます。
ご自身での判断が難しい場合は、派遣会社の担当者に相談し、扶養内で働ける求人を紹介してもらったり、アドバイスをもらったりすると安心です。

急な休みの取りやすさを重視するなら派遣社員とパートのどっちがいい?

育児や介護などの理由で、正社員よりも柔軟な勤務形態を検討している方にとっては、急な休みの取りやすさも気になるのではないでしょうか。
ここでは、休みの取りやすさという点について、両者の違いをお伝えします。

急な休みの取りやすさの比較

急な休みの取りやすさは、派遣社員かパートかによって大きく異なることはなく、勤務する企業によって差が生じるケースがほとんどです。
したがって、この点については雇用形態ではなく、企業の職場環境やルールなどから判断することを推奨します。

休みが取りやすい職場かどうかを確認したい場合は、面談や面接の際に、勤務先の企業へ質問するとよいでしょう。

急な休みへの対応の比較

一般的に、派遣社員は勤務時間が固定されるケースが多いため、業務の兼ね合いによっては急な休みを取れないことも少なくありません。
また、急な休みを頻繁に取得すると、派遣先企業からの評価や契約更新に影響が出るおそれがあります。

しかし、休みを問題なく取れる体制が整っていたり、突発的な休みを取得しても評価に響かない環境を作っていたりする企業も存在します。
このような企業であれば、派遣社員かパートかどうかにかかわらず安心して働けるでしょう。
急な休みの取りやすさを重視して両者を検討する場合は、雇用形態を考える前に、まず突発的な休みに対応してくれる企業を見つけることが重要です。

派遣社員とパートのどっちがいいのかに迷ったら、両者の違いを踏まえて検討しましょう

今回は、派遣社員とパートの違いと、どちらを選ぶかを判断する際のポイントを解説しました。

派遣社員とパートでは、求められる業務スキルや勤務時間の自由度などが異なります。
ご自身に適した働き方を選ぶには、このような違いを踏まえたうえで、給与と働きやすさのバランスやキャリアについて考える必要があります。

さまざまな要素から検討した結果、「しっかり収入を得ながらスキルアップを目指したい」とお考えの方は、派遣社員を選ぶのがよいでしょう。
その際は、万全のバックアップ体制を整えた派遣会社であるホットスタッフへお問い合わせください。
仕事に対する希望を丁寧にヒアリングし、理想の派遣先企業をご提案いたします。

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