働き方の多様化が進む昨今、派遣や業務委託などの働き方が注目されています。ライフスタイルに合わせ、いずれかをお考えの方も多いのではないでしょうか。
しかし、両者は異なる労働形態であるため、仕組みを知らずに選ぶと、“意外な落とし穴”にはまってしまうかもしれません。
理想の働き方を見つけるには、これらの特徴をきちんと把握しておくことが大切です。
本記事で、派遣と業務委託の違いについて理解を深めていきましょう。
目次
派遣とはどのような働き方?
派遣と業務委託の違いを解説する前に、まずは派遣の概要から押さえておきましょう。
派遣とは、労働者が派遣会社(派遣元)と雇用契約を結び、就業先(派遣先)で働く雇用形態のことです。
給与や福利厚生をはじめとする契約を取りまとめるのが前者で、業務に関する指示を行うのが後者となります。
派遣契約をよりわかりやすくするために、正規雇用との違いを以下にまとめました。
【派遣と正規雇用の違い】
| 派遣 | 正規雇用 | |
|---|---|---|
| 雇用主 | 派遣会社 | 就業先 |
| 給与 | 一般的に時給制(派遣会社を通して支払われる) | 一般的に月給制(企業から直接支払われる) |
| 勤務時間 | 1日あたり8時間・週あたり40時間が上限で、週2日や短時間勤務などの働き方も選択できる | 週5日・フルタイムの出勤が一般的 |
さらに派遣は、以下のような種類に分けられます。
【派遣の種類】
| 有期雇用派遣 | 無期雇用派遣 | 紹介予定派遣 |
|---|---|---|
| 有期の雇用契約を結ぶ。最長3年間まで、同じ派遣先に勤務できる。 | 期限の定めがない雇用契約を結ぶ。 | 派遣先での直接雇用を前提とした雇用契約を結ぶ。最長6か月間の派遣期間が設けられる。 |
このように、派遣契約は自身のライフスタイルに合わせて、柔軟な働き方を選べる雇用形態であるといえます。
業務委託とは
一方、業務委託とは、委託者である企業が自社の業務の一部を、個人をはじめとする社外の受託者に依頼する契約形態のことです。
企業と労使関係になる雇用契約を結ぶわけではないため、立場が対等であるのが特徴です。
委託者は受託者の働き方に対して指示することができないため、業務を依頼するのみに留まります。
受託者は契約に基づき、自身の裁量で業務を進めて成果物を納品します。
なお、業務を受託する方は個人事業主に該当するため、税務署に開業届を提出したうえで、個人事業主として開業する手続きが必要です。
派遣と業務委託の違い
派遣と業務委託の概要を押さえたところで、以下の項目について両者の違いを見ていきましょう。
【派遣と業務委託の違い】
- 違い①契約形態
- 違い②契約期間
- 違い③業務指示・指揮命令
- 違い④目的
- 違い⑤業務内容
違い①契約形態
派遣では、派遣会社と派遣先企業のあいだで労働者派遣契約が締結されます。
派遣社員として働く方は、派遣会社を雇用主とした個別契約を結び、派遣先へ勤務するはこびとなります。
一方、業務委託の場合は、委託者である会社が受託者と直接契約する形態です。
受託者は自身の裁量で業務を進め、成果物を納品します。
違い②契約期間
派遣と業務委託では、契約期間の定めが異なります。
3種類ある派遣のうち、有期雇用派遣では同一の就業先で勤続できるのが3年以内、無期雇用派遣では期間の定めがなく、紹介予定派遣では6か月間が最長となっています。
対して業務委託の契約期間は、契約内容によって委託された業務を遂行するまでの期間が変わるため、具体的に明示することができません。
違い③業務指示・指揮命令
業務の指示体制にも違いがあります。
派遣の場合、派遣先の会社は、派遣会社との契約の範囲内に収まる場合に限り、業務に関する指示を行います。
業務委託の場合は受託者自身のペースで業務を進めるため、委託者側から指示することができません。
なお、成果物やその基準自体は、あらかじめ委託者から通知されますが、こちらは指示に該当しません。
違い④目的
雇用形態に違いがある派遣と業務委託は、根本的な目的が異なる制度です。
派遣は、派遣会社が企業に期間限定の労働力を提供する事業です。
そのため、一時的な人員不足や、繁忙期に向けた補填といった用途で利用されるケースが多い傾向にあります。
一方、業務委託の目的は、専門的な知識・技能が求められる特定の業務を外部へ依頼することです。
委託者は、自社のリソースで賄うのが難しい業務を、相応の技能を持つ受託者へ依頼し、効率的な事業運営に役立てます。
違い⑤業務内容
派遣と業務委託では、依頼される業務内容がそれぞれ異なります。
たとえば派遣では、オフィスの事務作業や倉庫でのピッキングなど、未経験でも始めやすいルーティンワークの依頼が多いといわれています。
その点、業務委託は社内での完結が困難な、ITやデザインといった特定のスキルを要する業務を依頼されるケースもあり、専門性を活かせるのが特徴です。
派遣として働くメリット・デメリット
派遣と業務委託の違いについて解説してきましたが、「それぞれどのようなメリットとデメリットがあるの?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
ここからは、派遣もしくは業務委託で働く際のメリット・デメリットを、それぞれ解説します。
まずは派遣から見ていきましょう。
メリット
派遣には、以下のようなメリットが挙げられます。
【派遣として働くメリット】
- ワークライフバランスを実現しやすい
- 多用な職場で経験を積める
- アルバイト・パートよりも給与が高い場合がある
- 派遣会社にサポートしてもらえる
派遣は、正社員とは異なり、労働時間をご自身のライフスタイルに合わせられるため、仕事と生活の調和を取りやすいといえるでしょう。
また、マスコミやクリエイティブ系などの人気の業界でも派遣社員が募集されていることもあるため、さまざまな仕事を経験できる可能性があります。
さらに、アルバイト・パートといった雇用形態よりも、派遣のほうが一般的に時給が高い傾向にあるともいわれています。
はじめて派遣として働く際や契約満了後の次の仕事の紹介、就業先との交渉といった、派遣会社のサポートが得られるのも利点の一つです。
デメリット
一方、派遣社員として働く際に感じる可能性があるデメリットは、以下に挙げた通りです。
【派遣として働くデメリット】
- 雇用が不安定になる
- 裁量の大きな仕事には携われない
- 時期によって収入が変動することがある
先述したように、派遣には3つの種類があります。
なかでも有期雇用派遣の場合は、雇用期間があらかじめ定められており、同じ派遣先には最長でも3年間しか勤務できないため、雇用が不安定になりやすいといえます。
無期雇用派遣や紹介予定派遣といった形態を選択すれば、安定的な就業が望めるでしょう。
しかし、裁量の大きな仕事に関わる機会が得られにくい点は、派遣雇用を通じて自己成長したい方にとってはデメリットとなるかもしれません。
また、時給制が多い派遣では、ゴールデンウィークや年末などの特定期間で休日が多くなり、収入減につながりやすいので、翌月の出費を控えめにして調整する必要があります。
業務委託として働くメリット・デメリット
続けて、業務委託で働くメリットとデメリットも見ていきましょう。
メリット
業務委託で働くメリットには、以下のようなものがあります。
【業務委託として働くメリット】
- 働く時間や場所を自由に選べる
- スキルによっては正社員よりも高い収入が得られる
- 業務内容を選べる
- 人間関係のストレスが少ない
業務委託は、時間・場所を自由に選び、自身のペースで仕事を進められるため、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が実現できます。
取り組む業務もご自身で決められるので、好きなことを仕事にしやすい点も魅力です。
さらに、給与は時給換算ではなく、成果物に対する報酬として計算されるケースが多いため、ご自身のスキル次第で正社員として働くよりも高い収入が得られるかもしれません。
契約内容にもよりますが、一般的には出社せずに働ける案件が多いことから、人間関係によるストレスを感じにくい働き方といえます。
デメリット
反対に、業務委託のデメリットとして挙がるのは以下のような点です。
【業務委託として働くデメリット】
- 収入が安定しにくい
- 労働基準法が適用されない
- 社会保険・雇用保険に入れない
- 税金関係の手続きを自身で行わなければならない
業務委託では、案件をご自身で獲得する必要があります。
安定的な収入を見込むためには、案件をこなしつづけ、委託者からの信頼を積み重ねていかなければなりません。
また、労働基準法が適用されない点にも注意しましょう。
ご自身の判断で仕事を進められるものの、成果物に対する報酬は契約時に決められているため、働き方次第では最低賃金を下回るおそれもあります。
ワークライフバランスの整った働き方を目指すには、自己管理が要となるのです。
くわえて、個人事業主として企業と対等な立場にあるため、社会保険への加入や、税務処理もご自身で行う必要があります。
業務委託を始める際には、あらかじめ制度や手続きの流れを把握しておくことが不可欠といえます。
派遣と業務委託はどちらがよいのか
派遣と業務委託のメリット・デメリットを見て、ご自身が働くイメージも明確になってきたのではないでしょうか。
ご自身の望む働き方や業務内容をきちんと考慮して、どちらにするのかを決めることが大切です。
しかし、「自分がどっち向いているかわからない……」という方もいらっしゃるでしょう。
最後に、それぞれの働き方に向いている方の特徴をご紹介します。
派遣に向いている方
派遣で働くことに向いている方の特徴は、以下の通りです。
【派遣に向いている方の特徴】
- ワークライフバランスを重視したい
- 労働環境を定期的に変えたい
- 希望する条件で働きたい
- 多様な仕事を経験したい
有期雇用派遣の場合は、定期的に契約更新のタイミングが訪れ、派遣社員と派遣先企業の双方の合意により、契約更新の有無が決まります。
プライベートを優先して、柔軟性のある働き方が可能な条件を交渉したり、派遣先自体を変更したりすることもできるため、ワークライフバランスを調和させやすいといえます。
派遣会社に相談すればご自身の希望に沿った条件の派遣先を紹介してもらえるので、ミスマッチの可能性を抑えられるでしょう。
一般的に派遣契約の更新単位で職場が変更となるケースが多いですが、さまざまな仕事を経験したいと考えている方にとっては大きなメリットになります。
業務委託に向いている方
業務委託に向いている方の特徴は、下記の通りです。
【業務委託に向いている方の特徴】
- 自分のペースで仕事を進めたい
- 適切な自己管理ができる
- 臨機応変に対応できる
- 自身のスキルを活かして専門的な業務に携わりたい
自由に仕事を進めたいと考えている方には、業務委託という働き方がうってつけといえます。
受託した業務を期日までに完遂できれば働き方は自由に決められますが、タスクをきちんと管理できる能力が不可欠です。
そのため、計画性を持って業務をこなせる方は、業務委託でも問題なく働けるでしょう。
また、複数の案件の納期が重なったり、緊急の対応が求められたりする場面において、臨機応変に対応できる方は企業からの信頼を着実に積み重ねていけます。
さらに業務委託では、専門的な業務を依頼されることも多いため、ご自身のスキルを活用して収入を得たいと考えている方には適性があるといえます。
派遣と業務委託は労働形態や業務の進め方が異なるため、それぞれの特徴をきちんと理解しておきましょう
派遣と業務委託は、ともに正社員でないという点を除けば、まったく異なる労働形態です。
派遣では派遣会社との雇用契約にしたがって派遣先の業務にあたるのに対し、業務委託は委託者である企業と直接契約して、個人の裁量で業務を進めます。
両者には異なるメリット・デメリットがあるため、ご自身の生活状況や希望する働き方を考慮したうえで、適した働き方を選ぶことが大切です。
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