“派遣”という働き方に興味はあるものの、「正社員やパート・アルバイトとの違いがわからない」という方も多いでしょう。
派遣社員は雇用の仕組みが独特なため、違いを十分に理解しないまま選ぶと、期待していた働き方ができないことがあります。
そこで本記事では、派遣社員の働き方を解説したうえで、ほかの雇用形態との違いや派遣の種類について紹介します。
ご自身に合った働き方を考える際の参考として、ぜひお役立てください。
目次
派遣社員とは?
派遣社員とは、派遣会社(派遣元)と雇用契約を結び、別の企業(派遣先)で働く従業員のことです。
派遣社員として働く場合、給与の支払いや社会保険の手続きは派遣会社が担当し、業務指示は派遣先企業から受けることになります。
くわえて、派遣契約は有期雇用が基本であることも特徴の一つです。
労働者派遣法によって、原則として“同一の派遣先・同一の部署”で働ける期間は最長3年と定められています。
部署が変わった場合や、派遣先企業に直接雇用された場合、この3年という制限は適用されません。
こうした派遣社員の特徴を踏まえ、働き方や待遇の違いを理解するために、次は正社員やパート・アルバイトとの比較を見ていきましょう。
参照元:e-Gov法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第四十条の二」
正社員との違い
派遣社員と正社員の大きな相違点は、雇用主と雇用期間です。
そのほか、給与形態や働き方の違いも含めて、以下の表にまとめました。
【派遣社員と正社員の主な違い】
| 派遣社員 | 正社員 | |
|---|---|---|
| 雇用主 | 派遣会社 | 就業先企業 |
| 雇用期間 | 有期(原則3年) | 無期 |
| 給与形態 | 時給制(例外あり) | 月給・年俸制 |
| 働き方 | 勤務日数や時間を柔軟に選ぶことが可能 | 会社の規定に基づく |
派遣社員は派遣会社と雇用契約を結び、業務指示は派遣先企業から受けます。
一方、正社員の場合は、就業先の企業と雇用契約を直接結び、雇用主と指揮命令者が一致しています。
また、派遣社員は有期雇用となりますが、勤務日数や時間、勤務地をある程度自由に選べるため、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が可能です。
正社員の場合は、無期雇用で長期就業が前提となり、雇用の安定性に強みがあります。
パート・アルバイトとの違い
派遣社員とパート・アルバイトの違いとしては、雇用主や雇用期間、そして仕事の探し方や就業までの流れなどが挙げられます。
具体的には、以下の表をご確認ください。
【派遣社員とパート・アルバイトの主な違い】
| 派遣社員 | パート・アルバイト | |
|---|---|---|
| 雇用主 | 派遣会社 | 就業先企業 |
| 雇用期間 | 有期(原則3年) | 有期・無期(更新可) |
| 仕事の探し方 | 派遣会社が紹介 | 自身で求人に応募 |
| 就業までのプロセス | 派遣会社に就業までサポートしてもらえる | 自身で求人に応募し、面接や条件交渉を行う |
特に注目したいのは、“就業までのプロセス”です。
派遣社員の場合、希望条件に合う仕事を派遣会社から紹介してもらえるほか、就業までの手続きについても支援を受けられます。
そのため、求人の検索や応募手続きの手間は少なくなるでしょう。
一方、パート・アルバイトは求人探しから応募、面接や条件交渉までをすべて自身で行う必要があります。
働く前に押さえておきたい!派遣の種類
派遣には、主に労働者派遣・紹介予定派遣・無期雇用派遣の3つの種類があります。
派遣社員として働くうえで、ご自身に合った働き方や雇用条件を選ぶためには、こうした派遣の種類を把握しておくことが大切です。
以下で、それぞれの特徴を詳しく解説します。
【派遣の種類】
- 労働者派遣(一般派遣・登録型派遣)
- 紹介予定派遣
- 無期雇用派遣(常用型派遣)
労働者派遣(一般派遣・登録型派遣)
労働者派遣(一般派遣・登録型派遣)とは、求職者が派遣会社に登録し、希望条件に合う仕事が決まった段階で派遣会社と有期雇用契約を結ぶ働き方のことです。
派遣の種類のなかでも、もっとも一般的な働き方といえるでしょう。
契約期間は3か月~1年程度に設定されることが多く、期間満了とともに雇用契約も終了します。
そのため、期間満了後も継続して同じ派遣先企業で働く場合や、別の派遣先企業で就業する場合は、派遣会社と雇用契約を改めて結ぶ必要があります。
なお、1回ごとの契約期間が短く設定されていても、契約更新を重ねれば同一の派遣先・部署で最長3年まで働くことが可能です。
紹介予定派遣
紹介予定派遣は、派遣社員として一定期間働いたあと、派遣先企業との直接雇用を前提とした雇用形態のことを指します。
派遣期間は最長6か月と定められており、そのあいだは派遣会社と雇用契約を結び、給与の支払いや社会保険の手続きも派遣会社が行います。
派遣期間が終了したあとは、派遣社員と派遣先企業の双方が合意すれば、正社員または契約社員として直接雇用へ切り替わる仕組みです。
紹介予定派遣では、実際の業務を通じて仕事内容や職場環境を確認できるため、入社後に「自分に合わない……」と感じるリスクを減らせる点が大きな特徴です。
書類選考だけでは伝わりにくいスキルや意欲、人柄を評価してもらえることから、未経験の職種への挑戦や、転職を目指す方にも適した働き方といえるでしょう。
無期雇用派遣(常用型派遣)
無期雇用派遣(常用型派遣)とは、派遣会社と期間の定めのない雇用契約を結び、派遣先企業で働く雇用形態のことを指します。
派遣期間が終了しても、派遣会社との雇用契約は継続され、次の派遣先が決まるまでの待機期間中も派遣会社の規定に基づいて給与や休業手当が支払われます。
そのため、収入が途切れにくく、雇用の安定性が高いことが特徴です。
事前に選考を受ける必要がありますが、派遣期間の終了と同時に収入が途切れる可能性がある労働者派遣と比べて、無期雇用派遣であれば収入面の不安を抑えられます。
派遣社員として働くメリット
派遣社員とほかの雇用形態との違いや、派遣の種類を把握できたところで、次は派遣社員として働く際のメリットを確認していきましょう。
本項では、派遣ならではの強みや魅力について詳しく解説します。
【派遣社員として働くメリット】
- メリット①ライフスタイルに合わせて柔軟に働ける
- メリット②積み上げてきたキャリアを活かせる
- メリット③さまざまな職場で経験を積める
- メリット④未経験でもチャレンジできる
- メリット⑤派遣会社のサポートを受けられる
メリット①ライフスタイルに合わせて柔軟に働ける
派遣社員の最大のメリットは、ご自身のライフスタイルに合わせて働けることです。
勤務日数や時間、勤務地のほか、職種、仕事内容などを派遣会社に希望として伝え、紹介された仕事の条件を確認したうえで選ぶことができます。
そのため、「残業なし」「週2日だけ」「扶養内で勤務」といった希望を叶えやすく、家庭や趣味、育児、介護との両立も可能になります。
メリット②積み上げてきたキャリアを活かせる
派遣社員として働くメリットの一つは、これまで培ったスキルや経験を活かせる点です。
派遣先企業は、業務内容や必要なスキルを事前に派遣会社へ提示します。
派遣会社は、その情報をもとに適した人材に仕事を紹介するため、派遣社員は自身の専門知識や経験に合った仕事に就きやすく、入社後のミスマッチも少なくなります。
また、派遣先での実務経験をキャリアとして積み重ねることで、さらなるスキルアップにもつながるでしょう。
希望に応じた専門分野での仕事に就ける可能性が高い点は、派遣ならではの魅力といえます。
メリット③さまざまな職場で経験を積める
派遣社員になると、さまざまな職場や業種で経験を積める点もメリットの一つです。
労働者派遣の場合は、有期契約となるため数か月ごとに職場が変わります。
多様な環境でさまざまな業務に携わることで、実践的なスキルを磨けるでしょう。
また、正社員では就職が難しい有名企業や、特定の業界の仕事に挑戦できるケースも珍しくありません。
幅広い経験を通じて、ご自身の得意分野を伸ばしたり、新しい分野に挑戦してスキルの幅を広げたりすることが可能であり、将来的なキャリア形成にも大きく役立ちます。
メリット④未経験でもチャレンジできる
派遣社員であれば、未経験の分野にも挑戦しやすくなります。
正社員の募集では経験者が前提となる職種でも、派遣であれば未経験でも応募できるチャンスがあるためです。
また、派遣会社によっては研修や講座が用意されており、働きながら必要なスキルを身につけることも可能です。
まずは派遣社員として経験を積み、スキルや実績を重ねることで、将来的なキャリアアップにつなげられます。
メリット⑤派遣会社のサポートを受けられる
派遣会社から手厚いサポートを受けられる点も、派遣社員として働くメリットといえます。
仕事を探す際は、派遣会社が希望条件やスキルに合った派遣先を紹介してくれるため、自力で求人を探す負担が減ります。
さらに、就業中にトラブルが生じた場合も、派遣会社があいだに入り、派遣先企業との交渉や調整を行ってくれるため安心です。
また、派遣会社のなかには、スキルアップに向けた研修やコンサルティングを提供しているところもあり、将来的なキャリア形成から働き方の相談まで幅広く支援してもらえます。
派遣社員として働くデメリット
派遣社員として働くことで多くのメリットを得られる一方、いくつかのデメリットもあります。
メリットだけでなくデメリットも把握しておくことで、ご自身のライフスタイルやキャリアプランに合った働き方かどうかを、より正確に判断できるでしょう。
ここからは、派遣社員として働く際の4つのデメリットについて詳しく解説します。
【派遣社員として働くデメリット】
- デメリット①契約期間が定められている
- デメリット②裁量の大きな仕事を任せてもらえない場合がある
- デメリット③収入が安定しない可能性がある
- デメリット④希望する仕事が見つからないこともある
デメリット①契約期間が定められている
労働者派遣の場合、同じ職場で働ける期間に上限があることがデメリットとして挙げられます。
労働者派遣法により、同一の派遣先企業や部署での勤務は最長3年までと定められています。
この期間内であれば、契約を更新しながら同じ職場で働きつづけることが可能です。
ただし、3年の上限に達した場合は新たな派遣先企業を紹介してもらう必要があるため、すぐに次の仕事が決まらない場合は収入が途切れるリスクが生じます。
とはいえ、無期雇用派遣へ切り替える、あるいは派遣先の別部署に異動すれば、働きつづけながらキャリアを積むこともできます。
デメリット②裁量の大きな仕事を任せてもらえない場合がある
派遣社員は契約で業務内容があらかじめ決まっており、契約外の仕事に携わることはできません。
そのため、重要なプロジェクトや裁量の大きな業務を任せてもらえる機会は限られ、単純作業が中心になる場合もあります。
長期間にわたって単純作業が続くと、新たなスキルや経験を積む機会が少なくなり、キャリア形成に影響することも考えられます。
ただし、契約で決められた範囲の仕事のみに集中できるため、業務の負担を抑えつつ、仕事とプライベートを両立させたい方にとっては効率的な働き方といえるでしょう。
デメリット③収入が安定しない可能性がある
派遣社員の場合、時給制で働くケースが多く、出勤日数や勤務時間によって収入が変動します。
ゴールデンウィークや年末年始など、休暇が多い月は手取りが減ることもあるため、収支の管理には注意が必要です。
こうした収入減に備えるには、派遣会社に相談し、契約内容や派遣先の状況次第で勤務日数や時間の調整が可能かどうかを確認してもらうことが挙げられます。
とはいえ、調整には派遣先企業の同意が必要なため、実現が難しい場合も少なくありません。
その場合は、短期や単発の案件を紹介してもらい、収入が大幅に減らないよう工夫することが大切です。
デメリット④希望する仕事が見つからないこともある
派遣社員として働く際、希望の条件に合う仕事が必ず見つかるわけではない点もデメリットの一つです。
勤務地や勤務日数、業務内容などの希望条件が細かい場合は、求人自体が少なく、すぐに働けない場合もあります。
ただし、派遣会社の担当者に相談すれば、条件に近い仕事の提案や、未経験でも挑戦できる求人を紹介してもらえることも珍しくありません。
ご自身の希望する条件を整理し、優先順位をつけることで、就業のチャンスを広げられます。
派遣社員の待遇
派遣社員の待遇については、労働者派遣法によって一定の基準が定められており、雇用形態のみを理由とした不合理な差が生じにくい仕組みが整えられています。
これは、2020年4月の労働者派遣法の改正により、“同一労働同一賃金”が導入されたことが関係しています。
同一労働同一賃金とは、派遣社員であっても、派遣先企業の労働者と業務内容や責任が同程度であれば、賃金や福利厚生に合理性のない待遇差を設けないという考え方のことです。
この考え方は、賃金だけでなく待遇全体に及ぶため、福利厚生施設や制度の利用についても公平性が保たれます。
なお、健康保険や厚生年金などの法定福利厚生は、派遣会社が適用・管理します。
「派遣社員だから待遇が劣る」という考え方は、現在では当てはまらなくなっているのです。
派遣社員に向いている方の特徴
派遣社員に向いているのは、以下のような特徴のある方です。
【派遣社員に向いている方の特徴】
- ワークライフバランスを重視し、仕事以外の時間を確保したい
- 未経験の職種に挑戦し、新たな業務に取り組みながらスキルを磨きたい
- 期間を区切って働き、将来的なキャリアチェンジに備えたい
派遣社員は、勤務日数や勤務時間を自由に選べるため、育児や介護、趣味の時間と両立しやすい働き方といえます。
また、さまざまな職場での業務経験を通して専門スキルを磨いたり、自分に合った働き方やキャリアを見極めたりすることも可能です。
さらに、派遣社員は原則として契約期間が決まっているため、短期間に集中して働きたい方や、将来のキャリアチェンジを考えている方にも適しています。
派遣社員として働き始めるまでの流れ
派遣社員として働くためには、いくつかの基本的なステップを踏む必要があります。
派遣会社によって詳細は異なりますが、ここでは派遣会社『ホットスタッフ』を例に、登録から就業までの基本的な流れを解説します。
【派遣社員として働き始めるまでの流れ】
- ステップ①派遣会社に登録する
- ステップ②登録会に参加する
- ステップ③仕事を紹介してもらい契約を結ぶ
ステップ①派遣会社に登録する
まず、ホームページの「かんたんWEB登録」より、希望勤務地や登録する拠点名、個人情報などの必要事項を入力したうえで「送信する」ボタンをクリックしてください。
応募が完了すると、自動で確認メールが届きます。
メールの受信を制限している場合は、あらかじめドメイン指定受信設定を解除しておきましょう。
なお、派遣会社を選ぶ際には、求人数の多さはもちろん、サポート体制やキャリアアップへの取り組みが充実しているところを選ぶことが大切です。
ホットスタッフなら、派遣社員が安心して働けるよう担当者がマンツーマンでサポートするほか、正社員登用支援にも取り組んでいるため、将来のキャリア形成にもつながります。
ステップ②登録会に参加する
オンライン登録を終えたら、次は派遣会社に出向いて本登録を行います。
本登録では、登録票を記入したあとに担当者との面談があります。
面談の際には、これまでの経験や今後の希望、労働条件などを伝えましょう。
あわせて、派遣社員として働くうえでの疑問や不安があれば、担当者に遠慮なく相談してください。
ステップ③仕事を紹介してもらい契約を結ぶ
本登録後は、派遣会社の担当者から希望条件に合った仕事を紹介してもらえます。
ただし、条件によっては当日中に紹介できないこともある点は把握しておきましょう。
仕事を紹介してもらったら、給与や労働条件などを確認し、内容に問題がなければ応募の意思を伝えます。
その後、派遣先企業との条件確認や合意を経て、就業が決まった場合は派遣会社と雇用契約を結びます。
契約時には、就業規則や福利厚生の説明を受け、納得したうえで就業を開始することが大切です。
派遣社員はキャリアアップできる?
派遣社員でも十分にキャリアアップは可能です。
派遣社員であれば、勤務日数や時間を柔軟に選べるため、無理のないペースでスキルや専門性を磨くことができます。
さらに、さまざまな業種・職種を経験できることから、幅広い知識を習得したうえで、ご自身に合った分野でのキャリアを築けるでしょう。
また、2015年の労働者派遣法の改正により、派遣会社には派遣社員のキャリアアップ支援が義務化されています。
そのため、研修や教育制度が整っている派遣会社も多く、サポート体制が充実しているところを選べば、業務の相談やスキル評価、キャリアプランの助言を受けられます。
このように、派遣社員であればご自身のライフスタイルに合わせながら、計画的にキャリアを積み上げられるのです。
派遣社員とは派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業で働く雇用形態のこと
派遣社員には、ほかの雇用形態とは異なるメリットがあります。
勤務日数や時間、勤務地などの希望を派遣会社に伝えることで、条件に合った仕事を紹介してもらえるため、趣味や育児・介護と両立しやすいのが特徴です。
また、派遣会社の支援を受けながら、多様な職場での業務経験を通してスキルや専門性を高めることができます。
雇用期間や業務範囲が制限されるものの、希望に合った働き方とスキル向上を両立できる点が、派遣ならではの魅力といえるでしょう。
派遣で働くことを検討している方は、ぜひホットスタッフにご相談ください。
専任の担当者が一人ひとりに最適なお仕事を紹介しますので、派遣が初めての方でも安心して働き始められます。