派遣社員として働くことを検討するなかで、「派遣社員の給料でも一人で暮らせるの?」と疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論から申し上げると、収入と支出のバランスを維持できれば、派遣社員でも一人で暮らすことは可能です。
本記事を通して、派遣社員として安定した生活を送るためのコツを学んでいきましょう。
目次
派遣社員でも一人暮らしができる理由
派遣社員でも生活するために必要な収入を得られるため、一人暮らしができます。
では、実際にどの程度の収入があるのかを見ていきましょう。
ここでは、厚生労働省が公表した「令和5年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」をもとに、派遣社員の1か月あたりの平均収入を確認します。
同調査によると、派遣社員の一日あたりの平均賃金は16,190円でした。
1か月の労働日数を20日として計算すると、額面支給額は32万3,800円となります。
手取り額を額面支給額の80%と仮定する場合、1か月あたりの平均収入は25万9,000円程度です。
また、厚生労働省の「派遣労働者の賃金(時間給)の推移」によると、派遣社員の平均時給は、平成26年から令和5年まで毎年上昇しています。
このように派遣社員の時給が年々高くなっていることも、一人暮らしを選べる理由の一つとなっています。
厚生労働省「令和5年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」
一人暮らしに必要な費用
本項では、一人で暮らす場合、毎月どの程度の費用がかかるのかを解説します。
厚生労働省が実施した「家計調査」を参考に、具体的な費用の平均をまとめました。
なお、家賃は手取り額の25~30%が目安とされているため、以下の表では派遣社員の平均収入をもとに、家賃の目安額を算出しています。
【一人暮らしにかかる平均的な費用】
| 費用の内訳 | 費用 |
|---|---|
| 家賃 | 約7万7,000円 (手取り額が25万9,000円の場合の30%として算出) |
| 食費 | 約4万4,000円 |
| 水道光熱費 | 約1万3,000円 |
| 娯楽・交際費 | 約1万3,000円 |
| 交通・通信費 | 約2万円 |
| 被服および履物代 | 約4,000円 |
| 合計 | 約17万円 |
上記の表を見ると、一人で暮らす方の1か月あたりの支出は約17万円であることがわかります。
この金額を一つの目安として、ご自身の収入で無理なく生活するための計画を立てましょう。
家賃がより安い物件を選ぶ、外食を控えるといった工夫で、生活費をさらに抑えることも可能です。
参照元:厚生労働省「家計調査」
派遣社員として働きながら一人で暮らすためのポイント
ここでは、派遣社員が一人暮らしをするうえで、無理なく生活するコツを解説します。
【派遣社員として働きながら一人で暮らすためのポイント】
- ポイント①自炊を心がける
- ポイント②固定費を抑える
- ポイント③生活費を計画的に用意する
- ポイント④入居時の初期費用を抑える
- ポイント⑤派遣先企業の近くで家を探す
- ポイント⑥派遣会社の寮に入居する
ポイント①自炊を心がける
外食を控えて自炊中心の生活を送ることで、食費を抑えられます。
節約の第一歩として、まずは自炊を習慣づけましょう。
外食の割合が多くなると、1か月あたりの食費が高くなってしまいます。
食材は安く買える日に調達し、職場にはお弁当を持参してランチ代を浮かせるといった工夫で、食費を節約することが大切です。
なお、一人暮らしの場合、食費は手取り額の10~15%が目安とされています。
手取り額が20万円の場合は3万円程度に、25万円の場合は3万7,500円程度に収めるよう意識してみてください。
ポイント②固定費を抑える
水道光熱費や通信費などの固定費を抑えて、家計の負担を軽減するのもおすすめです。
冬場は室内の断熱対策を行い、暖房の温度を上げ過ぎないように気をつけましょう。
また、暖かい空気は部屋の上部へと移動するため、エアコンの羽を下向きに設定すると室内を効率的に暖められます。
なお、通信費を抑える方法としては、スマートフォンの契約プランを見直すのも有効です。
ご自身の使用状況を踏まえて、通話料やオプションサービス料に削減できるところがないかを確認してください。
また、大手キャリアから格安SIMに変更すると、通信費が比較的安くなる可能性があります。
ポイント③生活費を計画的に用意する
派遣社員の場合、月ごとの収入を見込んで生活費の予算を立てることが重要です。
時給制で働く派遣社員は、GWやお盆休みなど、長期休暇のある月に収入が少なくなることがあります。
そのため、収入が少ない時期の生活費を補えるよう、計画的に貯金しておきましょう。
また、生活費の予算を立てる際は、額面支給額と手取り額が異なる点にも注意が必要です。
派遣社員が実際に受け取る手取り額は、正社員と同じく、額面支給額から社会保険料や税金などを差し引いた金額となります。
実際の収入は額面支給額の80%ほどになるという前提で、毎月の予算を考えることが大切です。
ポイント④入居時の初期費用を抑える
一人暮らしを始める際は、初期費用を抑えられる物件を探しましょう。
初期費用を抑えるポイントの一つは、敷金・礼金のかからない物件を選ぶことです。
一般的に、敷金・礼金には家賃の2~3か月分ほどかかります。
そのため、敷金・礼金が無料の物件を契約すれば、家賃が6万円の場合は12万~18万円ほど節約できます。
また、仲介手数料が安い不動産会社で契約するのもおすすめです。
同じ物件でも不動産会社によって仲介手数料が異なるため、複数の会社で見積もりを取り、比較検討することが大切です。
ポイント⑤派遣先企業の近くで家を探す
2020年に労働者派遣法が改正されたことで、正社員と同様に、派遣社員にも通勤手当が支給されるようになりました。
しかし、これは派遣社員と正社員の待遇の差をなくすことを目的とするため、正社員に通勤手当を支給しない企業では、派遣社員にも支給されません。
通勤手当が支給されない場合は、職場の近くに住むことで交通費を節約できます。
派遣先企業の紹介を受ける際には、通勤手当の有無を必ず確認しましょう。
ポイント⑥派遣会社の寮に入居する
家賃を抑えるためには、派遣会社が提供する寮に住むのも一つの手です。
派遣会社によっては、地方や郊外の製造業で働く派遣社員のために、寮を用意していることがあります。
こうした派遣社員向けの寮は、家賃や光熱費が無料、もしくは格安であることが多く、毎月の固定費を大幅に抑えられます。
また、家具・家電付きの物件の場合は初期費用の負担も軽減されるため、新生活を安心してスタートできるでしょう。
派遣社員としての給料を上げるためには
一人で無理なく暮らしていくためには、支出を抑えながら収入を増やすことも重要です。
ここからは、派遣社員として働きながら給料を上げる方法を紹介します。
【派遣社員としての給料を上げる方法】
- 専門スキルを身につけて資格を取る
- 派遣会社に交渉する
- 高収入を見込める派遣先企業で働く
- キャリアアップを図る
- 高収入を望める求人を紹介してくれる派遣会社に登録する
専門スキルを身につけて資格を取る
派遣先企業で働くなかで、業務に関する専門的な知識や技術を習得すると、昇給してもらえる可能性が高くなります。
ご自身のスキルを証明するために、業務に関連する資格は積極的に取得しましょう。
経理の場合は日商簿記検定やFP技能士の資格を取る、英語を使用する仕事の場合はTOEICを受験するなど、ご自身の業務に合わせて選ぶと効果的です。
なお、資格を求められる派遣先企業は、時給が高い傾向にあります。
資格を取得すれば、現職で昇給が目指せるだけでなく、転職する際に高収入の仕事を選べるという利点もあるのです。
派遣会社に交渉する
昇給を希望する場合は、契約更新の1か月前に派遣会社の担当者に交渉しましょう。
契約時に比べてスキルが向上しており、より大きな成果を残せると判断されれば、時給を上げてもらえる可能性があります。
昇給を交渉する際は、ご自身の身につけた専門的なスキルや、業務で活かせる資格などをアピールすることが大切です。
くわえて、派遣先企業での業務で培った経験を具体的に伝えることができれば、交渉の成功につながります。
高収入を見込める派遣先企業で働く
派遣社員の収入は業種や職種によって変わるため、高収入が見込める仕事を選べば、生活に余裕が生まれます。
なかでも、専門的な知識やスキルを必要とする以下の職種は、時給が高い傾向にあります。
【派遣社員として高収入を目指せる仕事】
- オフィスワーク・事務
- IT関連職
- 施工管理
オフィスワーク・事務
オフィスワークや事務職には、一般事務や営業事務、経理事務など、専門分野に特化した業務が含まれています。
そのため、オフィスソフトの基本的な操作スキルや、営業に携わった経歴など、必要なスキルや経験を有していれば、より高い時給で働けます。
また、ほとんどの企業で必要とされる職種であることから、求人数が多いのも魅力です。
未経験でも応募できる求人が数多くあるため、キャリアを徐々に積みながら高収入を目指せるでしょう。
IT関連職
IT業界では人手不足を解消するために、時給を高く設定している企業が多くあります。
特に、ITパスポートや基本情報技術者といった、IT関連の業務に活かせる資格を事前に取得しておくと、より高い収入を期待できます。
このような資格は、契約後に取得する場合も時給アップにつながるため、ぜひ挑戦してみてください。
施工管理
施工管理は労働市場における需要が高く、派遣社員として高収入を目指せる職種の一つです。
施工管理に関する資格を取得していれば、対応できる現場の規模が広がり、時給が高くなります。
なお、2級施工管理技士と1級施工管理技士では収入に大きな差が生じるため、働きながら上位資格の取得を目指すとよいでしょう。
多くの現場で経験を重ねてスキルを磨けば、大手ゼネコンで働ける可能性も高くなり、経済的により安定した暮らしが手に入ります。
キャリアアップを図る
収入を上げるためには、正社員登用制度のある派遣先企業で働き、キャリアアップを目指すのも一つの手です。
その場合は、派遣会社の担当者に、「正社員登用制度のある派遣先企業を紹介してもらいたい」という旨を伝えましょう。
就業期間中にご自身の働きぶりやスキルが評価されれば、派遣先企業の正社員になることができます。
もしくは、紹介予定派遣を選ぶ方法もあります。
紹介予定派遣とは、派遣社員として最長6か月間働いたのちに、派遣社員と派遣先企業の双方の合意があれば、直接雇用に切り替えられる派遣形態のことです。
この派遣形態を選べば、はじめから直接雇用を前提として働くことができるため、正社員や契約社員になれる可能性が高くなります。
高収入を望める求人を紹介してくれる派遣会社に登録する
派遣会社に登録する際は、高収入の求人を多く取り扱っているかどうかを確認しましょう。
先述の通り、オフィスワークや事務職、IT関連職、施工管理といった職種は、業務に関連する資格を取得することで、高い時給で働ける可能性があります。
そのため、派遣社員としての給料を上げるには、こうした職種の求人を多く扱っている派遣会社を選ぶことをおすすめします。
また、キャリアアップを手厚くサポートしてくれる派遣会社を選ぶのもポイントです。
派遣社員としてより安定した生活を送るために、必要な資格やスキルに関するアドバイスを受けられるので、サポート内容もぜひチェックしてみてください。
派遣社員でも、収入と支出のバランスを調整すれば一人で暮らせる!
派遣社員として働きながら一人暮らしを希望する場合は、無理のない収支計画を立てることが大切です。
毎月の支出を抑えるためには、家賃が手取り額の30%以内に収まる物件を探すとよいでしょう。
そのうえで、自炊を心がけて食費を抑える、水道光熱費や通信費を節約するといった日々の工夫が必要です。
また、派遣先企業の業務に関連するスキルを身につける、高収入の仕事を紹介してもらえる派遣会社に登録するなど、時給アップを目指すことも重要です。
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