派遣ノウハウ

派遣と請負の違いをわかりやすく解説!それぞれの特徴とメリットとは

新たなキャリアをお考えの方のなかには、“派遣”や“請負”といった言葉を耳にしたことのある方もいらっしゃるでしょう。

いずれも、ご自身が所属していない企業の仕事を受けて働く形態ですが、契約の内容や期間には違いがあります。

今回は、「派遣と請負の違いをわかりやすく教えてほしい!」という声にお応えして、それぞれを比較しながら特徴を解説します。

ご自身に適した働き方を見つけるために、ぜひお役立てください。

派遣と請負の違い

派遣と請負のどちらも特定の業務を行う点は共通していますが、契約の目的をはじめ、その実態は異なります。

ここからは、派遣と請負の違いを4つ解説していきます。

【派遣と請負の違い】

  • 契約の目的
  • 指揮命令の有無
  • 契約期間
  • 労働法の適用の有無

契約の目的

派遣と請負の違いとしてまず挙げられるのは、契約の目的です。

派遣契約の目的は“労働力の提供”にあり、派遣社員が働いた時間に応じて報酬が支払われます。

対して請負は“成果物の提供”を目的に、発注者と請負人(受注者)が請負契約を結びます。
たとえば「この成果物を納品してくれたら20万円支払います」という条件で、発注者からの依頼を受けた場合、成果物の納品後に報酬が支払われるといった仕組みです。

成果物を提供できるかどうかに重点が置かれる契約なので、働いた時間を加味して報酬が支払われることはありません。

指揮命令の有無

派遣と請負は、「派遣先企業、あるいは発注者から指揮命令を受けるかどうか」という点でも違いがあります。

“指揮命令”とは労働者に対して、業務内容や進め方、勤務時間などの指示や命令を出すことで、雇用主が行うのが原則です。
しかし、派遣の場合は労働者派遣法の規定により、雇用主ではない派遣先企業が指揮命令を出す権限を持ち、派遣社員はその指示に従って業務を行います。

請負の場合は、発注者が請負人に対して指示を出すことができません。
発注者と請負人は雇用関係にはなく、そして請負契約の性質上、成果物の品質や納品を重視するためです。
業務の指示を受けることがないので、請負人はご自身のやり方で業務を進められます。

このように派遣と請負は、業務上の指示や命令を受けるかどうかという点が異なります。

契約期間

派遣には、同じ派遣先企業で就業できる期間が定められている“有期雇用派遣”という雇用形態があります。

この有期雇用派遣の場合、派遣社員は同一の派遣先企業で3年以上就業できません。
これを“3年ルール”といい、「派遣会社と無期雇用の契約を結んでいる」「派遣社員が60歳以上である」などの例外のケースを除いて適用されます。

派遣先企業で就業できる期間が満了を迎えたタイミングで、その派遣会社に新たな就業先の紹介を依頼するか、ご自身で探すかを決めます。

反対に請負には、契約期間に明確な定めはありません。

請負契約は、発注者に指定された“納期”までに成果物を納品すればよい契約のため、期間を定める必要がないのです。

労働法の適用の有無

派遣と請負の違いの一つに、労働法が適用されるかどうかも挙げられます。

労働法とは、労働者の権利を守るために、労働条件や労使関係のルールを定めた法律です。
この法律には労働者が雇用主から不当に扱われる事態、たとえば「長時間労働を強いられる」「賃金が支払われない」といった状況から労働者を保護する役割があります。

つまり、労働法が適用されるのは、雇用関係が成立している場合のみということです。
派遣の場合、派遣社員と派遣会社には雇用関係が成立するため、労働法が適用されます。

一方、請負の場合は個人で業務を請け負っており、発注者とは雇用関係にないので、労働法は適用されません。
派遣とは異なり、契約時の交渉やトラブル発生時は、ご自身で対応することになります。

派遣とは

派遣と請負の違いをご覧いただきましたが、そもそもこれらはどのような働き方なのでしょうか。

派遣とは、派遣社員と派遣会社、派遣先企業の3者で成り立つ雇用形態のことです。
派遣社員が派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業で就業する仕組みとなっています。

給与の支払いや有給休暇の付与などは、雇用主である派遣会社が担います。
そして業務の指示にくわえて、快適な作業スペースの提供やコミュニケーションの円滑化など、派遣社員が安心して働ける職場環境を整備するのは、派遣先企業の役目です。

こうした派遣には契約期間に定めがあり、継続的に派遣社員として働くのであれば3か月、ないし6か月ごとに更新しなければなりません。
ただし先ほどもお伝えしたように、同一の派遣先企業で働ける期間は最長で3年と決まっています。

請負とは

発注者が特定の業務を請負人に委託する契約形態が、請負です。

“業務請負”ともよばれ、成果物に対して報酬が支払われます。
つまり請負人は、定められた期限までに業務の完成・納品を約束し、発注者は、労働の提供ではなく成果に対する報酬の支払いを確約する契約ということです。

報酬は成果物に対して支払われるため、Web制作やシステム開発、セミナー講演など、成果が目に見える業務を請け負うのが一般的です。

また成果物の納品と、報酬の支払いの両方が完了した時点で契約は終了するので、派遣のように契約期間は明確に定められていません。
請負の場合は、この“納期”が事実上の契約期間に該当します。

派遣のメリット

ここまでご覧になり、派遣と請負の違いが整理できたのではないでしょうか。
それぞれの特徴をさらに深掘りしていくため、本項からはメリット・デメリットをお伝えしていきます。

まず以下では、派遣のメリットを見ていきましょう。

【派遣のメリット】

  • メリット①ライフスタイルに合わせて仕事を選べる
  • メリット②さまざまな業種や職種を経験できる
  • メリット③派遣会社のサポートを受けられる

メリット①ライフスタイルに合わせて仕事を選べる

派遣であれば、ご自身のライフスタイルに合わせて柔軟な働き方ができます。

「子どもが小さいから16時には退社したい」「自宅から30分以内の職場がいい」など、勤務時間や勤務地、職種などを自由に選択できる点は、派遣の大きなメリットです。

また原則として、契約書に明記されていない業務を任されることはありません。
勤務時間も決められており、定時退社が基本となるため残業が発生しにくく、終業後は資格の勉強や習い事、趣味などを楽しむ時間に充てられるでしょう。

このように派遣は、状況に応じて働き方を調整できるので、仕事とプライベートの両方を充実させたい方に適しています。

メリット②さまざまな業種や職種を経験できる

派遣は一般事務や軽作業、システム開発など多岐にわたる仕事に挑戦可能です。

同じ派遣先企業で就業できる期間が定められているからこそ、職場を変えながら幅広い仕事を経験できます。

こうした経験はキャリアの選択肢を広げたり、スキルを伸ばしたりするきっかけとなり、ご自身の成長にもつながるでしょう。

さらに派遣であれば、正社員として入社するのが難しいような企業で働ける可能性もあります。
経験がなくとも就業可能な一般職の求人が比較的多いためです。

「新しい仕事に挑戦したい」「憧れの企業で働いてみたい」といった方にとって、就業しながら経験を積める点は、目的に叶うのではないでしょうか。

メリット③派遣会社のサポートを受けられる

派遣会社では、仕事探しから就業中の悩み相談、スキルアップ研修に至るまで、派遣社員をサポートする制度が整っています。

派遣会社の担当者が就業先での様子を確認しに来てくれたり、資格講座を実施してくれたりと、充実したサービスを受けられる点もメリットとなるでしょう。

派遣先企業の環境や業務に慣れるまでは、どうしても不安を覚えるものです。
そうした状況下において、派遣会社のスタッフが頼れる相談先としていてくれると、大きな安心感につながるはずです。

派遣のデメリット

派遣には、さまざまなメリットがあることがわかりました。
しかし、派遣として働くうえでは、気をつけたいポイントがあるのも事実です。

以下では、派遣のデメリットを2つ解説します。

デメリット①雇用が安定しない

派遣として働く場合は、雇用が安定しない可能性も否定できません。

派遣では、「同一の派遣先企業において3年を超えて働けない」というルールが定められています。
そのため、正社員やアルバイトのように同じ職場で何年も働きつづけることが困難なうえ、新たな派遣先企業が見つからないリスクも伴います。

くわえて、派遣会社との雇用契約は3か月、もしくは6か月ごとに更新するのが一般的です。
場合によっては、業績悪化や業務縮小などを理由に契約が打ち切られ、一時的な失業状態になるケースも考えられます。

ご自身の希望に沿う働き方が叶う一方、契約終了によって仕事を失うおそれがある点は、派遣のデメリットといえるでしょう。

デメリット②やりがいのある仕事を任せてもらえない

派遣の場合は、契約書に明記されていない業務は行えないため、仕事に物足りなさを感じる可能性がある点もデメリットとなります。

派遣は、雑務や単純作業を任されるケースが多く、大きな責任を伴う仕事は要求されません。
契約期間が決まっていることにくわえて、派遣先企業は日々の業務の補助を目的に、派遣社員を受け入れているためです。

「やりがいを感じながら働きたい」という希望を叶えられる可能性が低く、モチベーションの維持が難しくなります。

請負のメリット

続いて、請負のメリットをお伝えします。
派遣として働く場合のメリットと比較しながら、ぜひご覧ください。

【請負のメリット】

  • メリット①得意な分野で働ける
  • メリット②ご自身のペースで業務を進められる
  • メリット③高収入を得られる可能性がある

メリット①得意な分野で働ける

請負は、ご自身の得意な分野に特化して働くことができます。

デザインやプログラミング、ライティングなど、これまでの経験やスキルを最大限に活かせるため、仕事のモチベーションも高まるでしょう。

請け負う仕事も自由に選べるので、発注者から依頼がきたとしても無理に受ける必要はありません。
本領を発揮できる業務を受注できれば、成果物の完成度も上がり、継続的な受注や単価アップも見込めます。

メリット②ご自身のペースで業務を進められる

請負では、業務の進め方や働く時間などを発注者に指示されることはありません。

そのため空いている時間で作業したり、複数の案件を掛け持ちしたりと、ライフスタイルに合わせて働けるのは大きなポイントです。

ただし自由な働き方を実現するには、当然ながら徹底的なスケジュール管理能力が求められます。
約束の期日までに成果物を納品するためにも、常にプロ意識を持って業務にあたることが大切です。

メリット③高収入を得られる可能性がある

高収入が期待できる点も、請負のメリットの一つです。

働いた時間ではなく、成果物に対して報酬が支払われる請負においては、専門性が高い業務であるほど、単価アップにつながります。
スキルがあれば複数の案件を獲得できる可能性も高まるので、収入も増やせるでしょう。

ご自身のスキルや成果物の品質が高いと、発注者から信頼と評価を得られると考えられるため、継続的に業務を依頼してもらえるかもしれません。

請負のデメリット

メリットをご覧いただいたところで、次に請負のデメリットを見ていきましょう。

【請負のデメリット】

  • デメリット①報酬を得られないリスクがある
  • デメリット②安定性に欠ける
  • デメリット③社会保険や福利厚生を受けられないリスクがある

デメリット①報酬を得られないリスクがある

報酬を得られないリスクがある点は、請負のデメリットです。

請負は成果物の納品を前提としているため、定められた期間内に完成・納品できなければ、報酬を得られないおそれがあります。
また、発注者に「成果物の品質が低い」という評価を下されると、継続的に業務を依頼してもらえないでしょう。

ご自身のスキルを活かして、質の高い成果物を納品すれば高収入が期待できますが、品質が低い場合は報酬の減額もありえます。

デメリット②安定性に欠ける

請負は、基本的に1つの案件ごとに契約を締結します。
受注できなければ報酬も発生しないため、派遣以上に安定性に欠ける働き方といえるでしょう。

継続的な依頼と安定した収入を得るには、ご自身を売り込むテクニックも欠かせません。
案件の獲得を目指して、日頃からスキルアップに励み、研鑽を積むことが重要です。

デメリット③社会保険や福利厚生を受けられないリスクがある

請負人は、いわば個人事業主にあたるため、社会保険や福利厚生などの保障を受けることができません。

個人事業主の場合は、会社員が加入するような健康保険ではなく、国民健康保険に加入します。
そのほか、企業が提供する福利厚生は受けられないものの、スキルアップや税務関連の手続きに役立つ“福利厚生サービス”を利用することができます。

ご自身で調べて対応する必要があり、少々手間がかかる点はデメリットです。

派遣と請負はどちらを選ぶべき?

ここまで、派遣と請負のそれぞれのメリット・デメリットを見てきました。
良い点や悪い点にくわえて、働き方を考えるうえではご自身の向き不向きも気になりますよね。

以下では、働き方ごとに、派遣と請負がどのような方に向いているのかをお伝えします。

派遣に向いている方の特徴

まずは、派遣の働き方が向いている方の特徴を見ていきましょう。

【派遣に向いている方の特徴】

  • ご自身の時間を大切にしたい方
  • 働きやすさを重視する方
  • さまざまな職種にチャレンジしたい方
  • 就業中に問題が発生したときに相談できる相手がほしい方
  • 職場環境を定期的に変えたい方

派遣は、ご自身のライフスタイルに合わせて仕事を選択できるため、プライベートの時間を充実させたい方に最適です。

勤務時間や業務内容などの希望も出せるので、自由な働き方が実現できます。

請負に向いている方の特徴

続いて、請負に向いている方の特徴は以下の通りです。

【請負に向いている方の特徴】

  • ご自身のペースで業務を進めたい方
  • スキルや専門性を活かしたい方
  • 臨機応変に対応できる方
  • 自己管理が得意な方

業務の進め方や働く時間を自由に決められる請負では、「自分のペースで仕事を進めたい」と思われる方に向いています。

ご自身のスキルや専門性を活かし、品質の高い成果物を納品すれば、安定して案件を獲得できる可能性も高まるでしょう。

ただし、請負では成果物を納品できなければ報酬を受け取れないため、時間の使い方や業務の進め方をご自身で厳しく管理できるかどうかが重要となります。

派遣は労働力を、請負は成果物を提供する点が異なる!違いを理解して向いている働き方を選ぼう

本記事では、派遣と請負の違いをお伝えしました。

派遣と請負には、契約の目的や指揮命令の有無、契約期間などに違いがあります。
派遣は“労働力の提供”を目的に、派遣社員が派遣先企業で業務を行うこととなります。

一方、請負は請負人が“成果物の提供”を約束し、発注者がその成果に対して報酬を支払う契約です。
「希望に沿った働き方を叶えたい」「就業中に何かあったときにサポートを受けたい」と思われる方には、派遣がうってつけの働き方です。

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