職種・職業ガイド

一般事務の仕事内容とは?1日の流れや給料、必要なスキルを解説

「プライベートを充実させたい」「仕事と家事を両立させたい」という思いから、一般事務の仕事を検討している方もいらっしゃるでしょう。

実際に働くか否か決める際には、後悔することのないよう具体的な仕事内容を確認しておきたいところです。

本記事では、一般事務の仕事内容を、給料の目安や活かせるスキルとともに解説します。
理想の働き方を叶える第一歩として、ぜひ最後までご覧ください。

一般事務の仕事内容

一般事務の仕事は、企業における事務作業全般とサポート業務です。

代表的な仕事としては、次の8つが挙げられます。

【一般事務の代表的な業務】

・書類の作成・整理(ファイリング)
・データ入力
・電話・メール対応
・来客対応
・伝票処理・整理
・備品管理
・郵便物の仕分け・発送
・雑務

以下では、それぞれの仕事内容を詳しく解説します。

書類の作成・整理(ファイリング)

書類の作成や整理は、一般事務の基本的な仕事です。

業務で取り扱う書類には、契約書や請求書といった取引に関わるものから、会議の議事録や集計データといった社内資料まで、さまざまな種類があります。

これらの書類の作成や整理にあたっては、会社独自のテンプレートを活用する場合や自身で一から作成する場合もあり、勤務先によって柔軟な対応が必要とされます。

取り扱う書類は勤務先にとって重要なものも多く含まれるため、必要時に素早くリストアップできるよう、わかりやすい整理と保管が求められるでしょう

データ入力

一般事務の仕事の一つに、PCを用いたデータ入力も挙げられます。

入力作業では、主にWordやExcelなどのMicrosoft Officeソフトの使用が一般的ですが、なかには勤務先が指定する専用のソフトを使うケースもあります。

業務で取り扱うデータは、売上の数字や顧客の個人情報など、勤務先にとって重要な内容であることがほとんどです。

そのため、些細な入力ミスであっても大きなトラブルに発展する可能性があり、適確さが必要な仕事といえます。

電話・メール対応

電話やメールの対応も、一般事務の仕事内容に含まれます。

勤務先によって異なる部分はありますが、基本的には社内外を問わず対応を求められ、内容に応じて担当の部署へ取り次ぎや伝達を行います。

なかでも、取引先に対する対応では、自身が勤務先の顔としてみられるため、細心の注意が必要です。

外部からの印象を損ねないために、最低限のビジネスマナーは身につけておきたいところです。

来客対応

来客時の対応を、一般事務の仕事としている企業も多くあります。

来客があった際に応接スペースや会議スペースに案内し、飲み物を準備するなど、一連の対応を行います。

電話やメールと比べ、直接のやりとりは取引先からの会社に対するイメージを特に左右するため、案内や見送りのマナーをあらかじめ理解しておくとよいでしょう。

伝票処理・整理

会計に関する伝票を処理・整理することも、一般事務の仕事として挙げられます。
会計に関する伝票とは、入出金や売上金、また仕入れ金といったお金の動きを入力したものです。

一般事務では、これらの処理・整理以外にも、納品書や領収書など、ほかの会計に関する業務を任せられる可能性もあります

こうした会計に関する処理・整理の業務は、会社のお金の動きを管理するうえで非常に重要です。

伝票処理・整理が仕事内容に含まれる場合には、正確な処理とわかりやすく整理する能力が求められます。

備品管理

消耗品やオフィス機器などの備品管理も、一般事務の仕事です。

日常的には文具やコピー用紙、またプリンターのトナーなど、業務で使う消耗品の在庫を管理し、不足があれば発注を行います。

また、コピー機やPCなどのオフィス機器に不具合が生じた場合には、必要に応じてメンテナンスの依頼や修理の手配といった対応も求められるでしょう。

備品の不足や故障が起きると、業務に支障をきたし、生産性の低下といった事態にまでつながりかねないので、きめ細やかな対応が必要となります。

郵便物の仕分け・発送

郵便物の仕分けや発送の対応も、一般事務の仕事です。

勤務先に届く手紙や荷物などの郵便物は、担当部署に直接届かないことも多く、その場合には部署や担当ごとに仕分けを行い、配布します。
紛失や誤配が起きると業務を遅延させかねないので、部署が多い会社では特に注意が必要です。

また、郵便物に関する業務は受け取りだけでなく発送業務もあります。

勤務先によって、各部署からの郵送物をまとめて発送する場合や、定期的に発送する場合など、さまざまな業務パターンが存在します。

なかには発送方法を指定するケースもあり、柔軟な対応が期待されるでしょう。

雑務

上記で挙げた仕事のほかに、雑務を任されることもあります。
雑務は掃除や片付けといった簡単なものから、他部署の補助まで多岐にわたります

ときには営業部のバックオフィス業務をサポートしたり、人事部で給与計算などの労務管理業務を行ったりなど、慣れない仕事を振られる場合もあるでしょう。
基本的にはデスクワークがメインの一般事務ですが、臨時の仕事では外出するケースも考えられます。

ルーチンワークに限らず、さまざまな業務が発生する可能性があることを念頭に置いておいてください。

一般事務の1日の流れ

具体的な仕事内容が確認できたところで、ここからは一般事務の1日の流れを紹介します。

下記に、一般事務の1日のタイムスケジュールをまとめました。

【一般事務の1日の流れ】

時間行動具体的な内容
8:30出社メールと当日の業務スケジュールを確認する 
9:00始業書類作成やデータ入力など、集中力の必要な業務は早めに取り掛かる 
12:00昼休憩昼食を取り、午後の業務に備える
13:00午後業務開始午前中に届いた郵送物の仕分け・配布、電話や来客に対応する
17:00退社準備次の日の業務内容を確認する 
17:30退社デスク周りを整頓して退社する 

このように一般事務の仕事はイレギュラーな雑務が発生しない限り、基本的にはルーチンワークです。

この合間に、日々個別に依頼された書類の作成や備品の修理依頼などに対応します

なお、上記で紹介した内容は一例であり、実際の仕事内容は勤務先によって異なります。
あくまで一般的な流れとして、覚えておきましょう。

一般事務の給料(年収・月収・時給)は?

令和6年の賃金構造基本統計調査によると、すべての就業形態を含む一般事務の平均給料は、年収で約397万円、月収にすると約33万円、時給換算では1,157円です。

全業種を合わせた場合の平均年収は約431万円なので、一般事務職は年収が低いことがうかがえます。
これは一般事務の仕事内容が、営業職や開発職などと違って、直接会社の売上につながらないためと考えられます。

さらにほかの業種と比べると残業も少ないため、手当がなく給料が低い傾向にあるのです。

なお、上記の数字はあくまで平均値かつ税金や社会保険料を控除する前のものです。
実際の給料は雇用形態や経験年数、また保有資格などによって異なるので、あくまで参考としてご確認ください。

【参照元】

e-Stat「賃金構造基本統計調査/令和6年賃金基本統計調査/一般労働者/職種」

e-Stat「賃金構造基本統計調査/令和6年賃金基本統計調査/産業計」

厚生労働省「賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金(時給換算)p2」

一般事務で働くメリット

給料面からみると全体の平均をやや下回る一般事務ですが、根強い人気のある仕事の一つです。

ここでは、その秘密をひも解くために一般事務で働く3つのメリットを紹介します。

メリット①未経験からでもキャリアチェンジが目指せる

ほかの業種と比べて、経験がなくてもチャレンジしやすい点は、一般事務の大きなメリットです。

専門的な知識やスキルはそれほど求められず、アパレル業界や飲食業界などに勤めてきたオフィスワークが初めての方も挑戦できます
PCを使った業務も、働きながら身につけられるものが多く、未経験の人材を採用する企業も少なくありません。

しかし、未経験でも応募できるということは、その分採用倍率が高くなる傾向にあるといえます。

そのようななかで採用されるためには、基本的なビジネススキルやマナーは備えておくと有利にはたらくでしょう。

メリット②ビジネスマナー・PCスキルの基礎が身につく

一般事務の仕事を通して、ビジネスマナーやPCスキルを身につけられます。

取引先とのやりとりのなかで、言葉遣いや身だしなみといった社会に出るうえで欠かせないビジネスマナーを高いレベルで身につけることができます。

また、PCを使った事務作業が中心のため、自然と操作方法を覚えられるはずです。

基本的なビジネスマナーやPCスキルは、一般事務としてのキャリアアップを検討している場合はもちろん、その先でほかのキャリアチェンジを考えている場合にも役立ちます

メリット③仕事とプライベートのバランスが取りやすい

仕事とプライベートのバランスが取りやすい働き方ができる点に魅力を感じ、一般事務を目指す方も多数いらっしゃいます。

一般事務の仕事は基本的にルーチンワークが多く、就業時間が規則的なのでスケジュールが立てやすくなります。

繁忙期など勤務先の状況によって変わるものの、長時間の残業が発生する可能性は低いでしょう。

また、最近ではリモートワークを導入する企業も増えており、ライフワークバランスを重視したい方にとって理想的な仕事であるといえます。

一般事務の仕事内容に関連するスキル

以下では、仕事で使えるスキルについて詳しく紹介していきます。

就業に向けて必要なスキルを把握し、可能であれば少しでも早い段階で習得しておくことで、採用のチャンスを広げられるでしょう。

PCスキル

一般事務の仕事においてまず必要となるのが、PCスキルです。
ほとんどの業務でPCを使うため、基本的な使い方を理解しているかどうかで、仕事のスピードも変わります。

就業時点では、基本的な操作ができれば高度なスキルや専門知識は必要ありません

これまで、職場や自宅でPCを使用する機会があった方であれば、問題なく仕事が進められるでしょう。

ただし、ブラインドタッチやショートカットキーを覚えておくと、採用で有利にはたらくだけでなく、作業の効率化を図れます。

Microsoft Officeソフトのスキル

一般事務の仕事における、Microsoft Officeソフトのスキルは有用です。

初めのうちは使いこなせなくても、実務を通してスキルを習得していく必要があります。
Microsoft Officeソフトにはどのようなツールがあるのか、それぞれの特徴とあわせて下記の表にまとめました。

【Microsoft Officeソフトの種類と特徴】

ツール名特徴
Microsoft Word 文書作成 
Microsoft Excel 表計算やグラフ作成 
Microsoft PowerPoint プレゼンテーション資料作成 
Microsoft Office Access データ管理 

勤務先によって扱うツールは異なるものの、ビジネスシーンで広く使われていることは間違いありません。

Microsoft Officeソフトのスキルを就業前にある程度身につけておくと、スムーズに業務へ取り組めます。

ビジネスマナー・スキル

一般事務にとって、ビジネスマナー・スキルも切り離せません。

具体的には、電話や来客に対応する際の適切な言葉遣いや、メールを送る際のマナーが該当します。

このうちメールは、TO・CC・BCCなどの送付先を使い分けたり、誤送信やフィッシングによる情報漏洩を回避したり、情報リテラシーも必要です。

さらに、ビジネスマナーにはきちんと挨拶することや身だしなみを整えること、また時間を守るといった働くうえで常識的なことも含まれます。

仕事を円滑に進めるためにも、就業前に改めて見直しておきたいところです。

コミュニケーションスキル

一般事務の仕事には、コミュニケーションスキルも必要です。

一般事務の仕事において、会話や交流は不要と誤解されがちですが、上司に業務の内容を確認したり、進捗を報告したりと、情報共有が必要な場面は日常的に多くあります。

また、外部とのやりとりや他部署との連携を行う際には、特に高いコミュニケーションスキルが求められます。
どの職場であっても、コミュニケーションは人間関係を構築するうえで重要です。

一般事務として活躍するためには、積極的にコミュニケーションを取り、交流を深めていこうとする姿勢が求められるでしょう

一般事務の仕事内容に活かせる資格

一般事務として働くうえでは、上記のスキルのほか、次の資格を持っていると役に立ちます。

【一般事務の仕事に活かせる資格】

資格概要
MOS(マイクロオフィススペシャリスト) Microsoft Officeソフトのスキルを証明する資格 
秘書検定 秘書能力を問う試験 
日商PC検定 企業実務で必要なPCスキルを測る試験 
簿記 簿記の知識やスキルを証明する資格 

上記で挙げた資格は必須ではないものの、採用する側からの印象もよく、実務でも活かせるため取得をおすすめします。

一般事務の仕事は、職場の事務作業全般とサポート業務を行うこと

今回は、一般事務の仕事内容を、給料や活かせるスキルとともに解説しました。

基本的にはPCを使用した事務作業が中心ですが、勤務先によっては他部署のサポート業務で外出するなど、例外的な仕事を任される場合もあります。

しかし、特別な知識や経験がなくても挑戦でき、ライフワークバランスの整いやすい規則的な就業時間で働けることは魅力といえるでしょう。

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